見習いが「賞与も退職金も出ない」と言われたとき|法律に出す義務はなく、あるなら就業規則か入社時の明示に書いてあります

結論からお伝えすると、労働基準法には、賞与や退職金を出す義務を決めた条文がありません。出す会社も、出さない会社もあります。ただし、会社が就業規則や契約で「出す」と決めたなら、それは賃金として扱われるのが一般的です(労働基準法11条)。「出ない」と言われたときは、書いてあるものがあるかを先に確かめてください。

賃金の定義には、賞与も入っている

11条は、賃金を、賃金・給料・手当・賞与など名称を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものと定めています。賞与という言葉が条文に入っているので、「ボーナスは賃金ではない」とは言えません。ただし、これは「出すと決めたものは賃金として扱う」という意味で、出す義務を作る条文ではありません。

賞与と退職金の5つの要点の図解

10人以上の会社は、決めるなら就業規則に書く

89条は、常時10人以上の労働者を使う会社に、就業規則の作成と届出を義務づけています。そのうち、退職金と賞与に関わる部分はこうなっています。

  • 3号の2:退職手当の定めをする場合は、適用される労働者の範囲、決め方・計算・支払の方法、支払の時期を書く
  • 4号:臨時の賃金等(退職手当を除く)の定めをする場合は、その事項を書く。賞与はこちらに入る

「定めをする場合」と書いてあるので、そもそも制度がない会社は、書かなくてよい扱いです。裏を返すと、あるなら条件が就業規則に載っています。見せてもらう方法は見習いが就業規則を見せてもらうとき|契約の中身になるのは、周知された規則ですに書いています。

10人未満の会社は、入社時の明示で確かめる

就業規則を作る義務がない小さな会社でも、15条1項は、労働契約を結ぶときに労働条件を明示するよう求めています。施行規則5条1項は、明示する項目として、退職手当の定めの適用範囲・計算・支払時期(4号の2)と、賞与(5号)を挙げています。どちらも、会社が定めをしていなければ明示は要りません。

ここに落とし穴があります。書面で渡さなければならない項目は、同条3項で、1号から4号まで(昇給を除く)に絞られています。退職手当と賞与は、4号の2と5号なので、書面が義務の項目に入っていません。口頭の説明だけで終わっている会社があるのは、この仕組みのためです。

賞与と退職金の確かめ方の図解

聞くときは、この3つを、メールで残す

  1. 賞与はありますか。あるなら、いつ・何を基準に出ますか
  2. 退職金はありますか。あるなら、何年勤めたら対象で、どう計算しますか
  3. その内容は、就業規則や契約書のどこに書いてありますか

「あると聞いていたのに違った」ときは、15条2項で、明示された条件が事実と違えば、労働者は即時に契約を解除できます。ただし、実際にあったかどうかは、書面か記録が残っているかで決まります。入社日の書類は見習いが入社日に出す書類|身元保証書は上限の金額が無いと効力がないに、入社前の確認点は職人の給料はなぜ翌月払いなのか|締め日と支払日は入社前に書面でもらえるにまとめました。

国の制度で別に積み立てる方法もある

会社に退職金がなくても、建設業には業界全体で積み立てる制度があります。一人親方が入る場合の注意は一人親方も建退共に入れるのか|10月の強化月間と、必要経費にならない掛金に書いています。

まとめ

賞与も退職金も、法律が出すことを命じているわけではなく、会社が決めたものが賃金になります。あるかないかは、就業規則(10人以上)か、入社時の明示(10人未満)で確かめます。口頭だけのときは、メールで確認して残してください。条文は2026年10月7日にe-Gov法令検索で確認しました。個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。

働き方の相談をしたい方は、これから職人になりたい人向けの掲示板もご活用ください。

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