見習いが入社前に内定を取り消されたとき|内定でも労働契約は成り立っていて、取り消しは解雇と同じ物差しで判断されます
結論からお伝えすると、内定の通知を受けて入社日を待っている段階でも、会社との労働契約はもう成り立っていると見られることが多く、会社が一方的に取り消せるわけではありません。取り消しは「解雇」と同じ物差しで考えるのが一般的です。労働契約法16条は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利の濫用として無効だと定めています。
内定は、約束ではなく契約の入口になる
労働契約法6条は、労働契約は、労働者が使用者に使用されて働き、使用者が賃金を支払うことについて、双方が合意すれば成立すると定めています。契約書の日付や初出勤の日は、成立の条件として書かれていません。
採用通知を受け取り、入社日と給料の話がまとまっているなら、合意はできていると見るのが一般的です。ただし、内定がどの段階で契約になるかは、会社とのやり取りの中身で変わります。決めるのは裁判所なので、迷ったら次に書く窓口へ聞いてください。

16条は、2つの条件を同時に求めている
16条の文言は、取り消しが有効になるために、理由に客観的な合理性があり、かつ、社会通念上相当であることの2つを求めています。どちらか一方でも欠ければ、無効になる側に傾きます。
- 「人が足りたから」「現場が減ったから」という会社の都合だけでは、合理性の説明として足りるとは限りません
- 理由があっても、他の方法(入社日の延期や配置の変更)を探さずに取り消したなら、相当とは言いにくくなります
- 理由を聞いても答えない会社は、あとで理由を後付けしてくることがあります
取り消しを言われたら、先にやる3つのこと
- 理由を、書面かメールで教えてほしいと頼む。口頭だけだと、あとで言った言わないになります
- 求人票・面接のメモ・採用通知・LINEやメールを、そのまま残す。入社日と条件が書かれたものが特に大事です
- 各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」に連絡する。無料で、取り消しの相談もできます

入社日に「話が違う」と言われたときは
取り消しではなく、入社してから条件が違っていた場合は別の条文です。労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と違うとき、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。3項では、就業のために住居を変えた人が、契約解除から14日以内に帰郷するなら、会社が必要な旅費を負担します。
書類の中身は見習いが入社日に出す書類|身元保証書は上限の金額が無いと効力がないに、揉めてしまったあとの手段は見習いが会社と揉めたとき労働審判を使うか|原則3回以内の期日で終わり、審判に異議が出れば通常の裁判へ移りますに書いています。
こちらから辞退したいときは
逆に、別の会社に決めたなどで内定を辞退したいときも、契約が成り立っているなら、辞め方の決まりが関わります。民法627条1項は、期間を定めなかった雇用について、各当事者はいつでも解約を申し入れることができ、申入れの日から2週間で終了すると定めています。有期の契約や、会社の就業規則に別の定めがある場合は扱いが変わるので、辞退は早く、会社に連絡してください。辞め方の基本は一人親方になる職人が元の会社と揉めない辞め方|「1か月前」より民法の2週間が先に立つに書いています。
まとめ
内定は、受け取った時点で契約の入口に立っていると考えるのが一般的です。取り消されたら、理由を書面で聞き、記録を残し、総合労働相談コーナーに相談します。条文は2026年10月7日にe-Gov法令検索で確認しました。個別のケースの判断は、労働局や弁護士・社会保険労務士にご確認ください。
働き方の相談をしたい方は、これから職人になりたい人向けの掲示板もご活用ください。


