見習いが会社と揉めたとき労働審判を使うか|原則3回以内の期日で終わり、審判に異議が出れば通常の裁判へ移ります

結論からお伝えすると、見習いが会社と賃金や解雇で揉めたとき、裁判所の労働審判という手続きがあります。裁判官1人と、労働関係の専門家2人が組む委員会が、原則として3回以内の期日で審理を終えます(労働審判法7条・15条2項)。出た審判に会社も自分も異議を出さなければ、裁判上の和解と同じ効力になります(21条4項)。どちらかが異議を出せば、通常の裁判へ移ります(22条1項)。

労働審判は、話し合いと判断を1つの手続きにしたもの

労働審判法1条は、個々の労働者と事業主の間の民事の紛争について、裁判官と労働関係の専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがあれば試み、解決しなければ労働審判を行う手続きだと定めています。7条は、その委員会を労働審判官1人と労働審判員2人で組織すると定めています。

申立ては、書面を裁判所に出して行います(5条)。出す先は、相手方の住所や営業所の所在地、あるいは自分が就業している事業所の所在地を管轄する地方裁判所などです(2条1項)。

労働審判の5つの要点の図解

期日は、原則3回以内で終わる

15条は、委員会は速やかに争点と証拠を整理しなければならず、特別の事情がある場合を除き、3回以内の期日で審理を終結しなければならないと定めています。通常の裁判のように、何度も期日を重ねない設計です。そのぶん、1回目の期日までに、事実と証拠を揃えておく必要があります。

  • 雇用契約書や労働条件の書面
  • 給与明細と、振込先の通帳の記録
  • 日々の出勤や現場の記録(日付・現場名・始まりと終わりの時刻)
  • 会社とのやりとりの、メールやLINEの画面
労働審判の申立てから結論までの流れの図解

審判の内容と、異議を出せる期限はどうなるのか?

20条は、審判では、権利関係を確認し、金銭の支払いその他の財産上の給付を命じ、その他の解決に相当と認める事項を定めることができると定めています。審判を受けた当事者は、審判書の送達または告知を受けた日から2週間の不変期間内に、裁判所に異議を出せます(21条1項)。

  1. 異議が出なかった:審判は、裁判上の和解と同じ効力になる(21条4項)
  2. 適法な異議が出た:審判は効力を失い、申立ての時に訴えを出したものとみなされて、通常の裁判に移る(21条3項・22条1項)

2週間は、過ぎれば取り戻せない期間なので、審判を受けとったら、日付を手帳に書いておいてください。

使うかどうかの、見分け方は?

  • 争点が絞れていて、証拠がそろっている:労働審判が向く
  • 争点が多く、会社が全面的に争ってくる:審判の後に通常の裁判へ移ることを見込む
  • 金額が小さく、まず話し合いで足りそう:労働基準監督署や、都道府県の総合労働相談コーナーで相談してから決める

弁護士の力を借りるかどうかも、ここで決めることになります。費用の目安と、相談できる窓口は、法テラス(日本司法支援センター)や、各地の弁護士会で案内されています。申立ての費用は請求額で変わるので、裁判所の案内で確かめてください。

賃金が払われない、辞めさせられそう、という場面そのものの決まりは、見習いの試用期間に辞めさせられたら|14日を境に解雇予告の要・不要が変わりますに書いています。

一人親方なら、使えるのか?

労働審判は、労働者と事業主の間の紛争の手続きです。一人親方と元請けの間の請負代金の争いは、通常の裁判や調停など、別の手続きで扱うことになります。ご自身がどちらの立場かは、実際の働き方で判断されるので、弁護士に確かめてください。

まとめ

労働審判は、裁判官1人と専門家2人で、原則3回以内に審理を終える手続きです。審判を受けとったら、2週間以内に異議を出すかどうかを決めます。条文は2026年10月6日にe-Gov法令検索で確認しました。個別のケースは、弁護士や社会保険労務士にご確認ください。

同じことで迷っている人は多いはずです。これから職人になりたい人向けの掲示板もご活用ください。

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