見習いが親の通院に付き添うとき|介護休暇は年5日、時間単位でも取れて会社は拒めません
結論からお伝えすると、親の通院の付き添いや介護の手続きのために、雇われて働く見習いは「介護休暇」を取れます。育児・介護休業法16条の5は、要介護状態にある対象家族の介護などのために、1年度で5日(対象家族が2人以上なら10日)を認めています。1日未満の時間単位でも取れて、会社は申出を拒めません(16条の6第1項)。93日まで休める介護休業とは別の、短い休みの制度です。
どんな世話で使えるのか
対象は、要介護状態にある対象家族の介護その他、省令で定める世話です。省令38条は、次の2つを挙げています。
- 介護そのもの
- 通院等の付添い、介護サービスを受けるために必要な手続きの代行、その他の必要な世話
要介護状態とは、負傷、病気、障害のために、2週間以上にわたって常時介護が必要な状態のことです(2条3号、省令2条)。要介護認定を受けているかどうかは、条文の条件になっていません。対象家族は、配偶者(事実上の婚姻関係を含む)、父母、子、配偶者の父母に加えて、祖父母、兄弟姉妹、孫です(2条4号、省令3条)。

時間単位でも取れるのか?
1日未満の時間単位で取れます(16条の5第2項)。省令40条1項により、始業の時刻から連続するか、終業の時刻まで連続する形です。午前だけ休む、午後から出る、といった取り方です。1日分の時間数は、1日の所定労働時間数(端数は1時間に切り上げ)です(同条2項)。所定が8時間なら、5日は40時間分です。昼にいったん抜けて戻る取り方は、省令の形に入りません。
申し出の仕方
- 自分の氏名、対象家族の氏名と自分との続柄、休む日(時間単位なら始まりと終わりの日時)を会社に伝える
- 対象家族が要介護状態にある事実を伝える(省令41条1項)
- 会社から求められたら、続柄と要介護状態を証明できる書類を出す(省令41条2項)
条文は、書面で出すことまでは求めていません。どの書類で証明するかは、取る前に会社へ聞いておくと慌てません。
会社は断れるのか
申出があったとき、会社は拒めません(16条の6第1項)。例外は、労使協定で「週の所定労働日数が著しく少ない」労働者を対象から外している場合だけです(16条の6第2項、省令42条・8条2号)。取ったことを理由にした解雇や不利益な取扱いも、禁じられています(16条の7)。給料が出るかどうかは条文に書かれておらず、就業規則や雇用契約で決まります。確認の仕方は、見習いが就業規則を見せてもらうとき|契約の中身になるのは、周知された規則ですが参考になります。

介護休暇と有給休暇はどう使い分けるのか
年次有給休暇は、理由を問わず取れて、賃金も出る休みです。介護休暇は、理由が介護などに限られる代わりに、会社が拒めない休みです。どちらを先に使うかは、残っている日数と、賃金が出るかで決まります。有給休暇の日数のしくみは、見習いの有給休暇は入社6か月で10日|休む日を決めるのは働く側ですにまとめています。
一人親方には使えない
介護休暇は、雇われて働く人の制度です。請負で働く一人親方には、この休暇がありません。親の介護が重なる年齢で独立を考えているなら、休んだ日の収入が止まる前提で、工期の組み方と生活費を考えておく必要があります。
まとめ
家族の介護や通院の付き添いが必要になった見習いは、育児・介護休業法16条の5により、1年度で5日(対象家族が2人以上なら10日)の介護休暇を、時間単位でも取れます。会社は申出を拒めません。細かい扱いは会社の規則や労使協定で変わるので、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や社会保険労務士にご確認ください。
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