一人親方が国民年金を払えない月は|未納にせず免除を申請すれば、10年以内なら追納で年金額に戻せます

結論からお伝えすると、一人親方が国民年金の保険料を払えない月は、払わずに放っておくのではなく、免除を申請してください。国民年金法90条は、前年の所得が基準以下の人から申請があれば、保険料を納めなくてよいとしています。免除された期間は、年金を受け取るための期間に数えられます。しかも、あとから余裕ができれば、94条により、承認の日の属する月から10年前までの分を追納して、年金額に反映させることができます。未納のままでは、そのどちらもできません。

国民年金の免除の種類と効果の図解

免除には種類がある

  • 法定免除(89条):障害基礎年金などを受けているときや、生活保護の生活扶助を受けているときなど。申請の形ではなく、条文の該当で決まります
  • 全額免除(90条):前年の所得が基準以下で、申請したとき
  • 一部免除(90条の2):保険料の4分の3、半額、4分の1を納めなくてよくなる形。残りの額は納めます

一人親方に当てはまりやすいのは、90条と90条の2の申請による免除です。

全額免除の基準は「所得」で、売上ではない

90条1項1号は、前年の所得が、扶養親族等の数に応じて政令で定める額以下であることを求めています。国民年金法施行令6条の7は、その額を「扶養親族等の数に1を加えた数に35万円を乗じた額に、32万円を加算した額」としています。

  • 扶養親族等が0人:1×35万円+32万円=67万円
  • 扶養親族等が2人:3×35万円+32万円=137万円

これは売上ではなく、所得(売上から必要経費などを引いた額)の基準です。さらに、90条1項のただし書きにより、世帯主や配偶者も基準を満たしている必要があります。1月から6月分の保険料は前々年の所得で見ます(90条1項1号のかっこ書き)。

一部免除(90条の2)の基準額は、全額免除より高く、政令で定められています。具体的な金額は、市区町村の窓口や日本年金機構の案内で確かめてください。

免除した期間は、年金額にどう効くのか?

法5条3項は、免除された期間を保険料全額免除期間と呼んでいます。27条は、老齢基礎年金の額を計算するとき、全額免除期間の月数は2分の1に数えると定めています。12か月を全額免除にして追納しなければ、年金額の計算では6か月分にしかなりません。480か月を満額とした場合、6か月分は約1.25%の差です。

未納の月は、年金額にも受給資格の期間にも入りません。差が出るのは、免除と未納の間です。

追納すれば、納めた月に戻せる

94条は、免除された保険料のうち、承認の日の属する月前10年以内の期間のものは、厚生労働大臣の承認を受けて追納できると定めています。追納が行われたときは、追納した日に、その月の保険料が納付されたものとみなされます(4項)。追納する額には、3項により政令で定める加算額が上乗せされます。古い月から順に追納する形です(2項)。老齢基礎年金を受け取る権利のある人は、追納できません(1項)。

学生時代の特例期間の追納は、見習いが学生時代の国民年金を追納するか考えるとき|特例の期間は、追納しないと年金額に入りませんで別に書いています。年金の全体像は、一人親方の年金と将来の備えをご覧ください。

未納のままの場合と免除を申請した場合の比較図解

独立した年は、前年の給与で見られる

基準は前年の所得なので、会社員から独立した年は、前の年の給与所得で見られます。収入が下がっていても、申請が通らない場合があります。90条1項4号は、天災その他の厚生労働省令で定める事由で、保険料を納めることが著しく困難なときの免除も置いています。失業などで所得が大きく減ったときの扱いは、申請前に窓口で確認してください。

申請先と、聞くこと

申請は、市区町村の国民年金の窓口または年金事務所が受け付けています。聞くのは3つです。

  1. 自分の前年の所得で、全額免除か一部免除かのどちらに当たるか
  2. どの月分から免除になるか(厚生労働大臣が指定する期間)
  3. 追納の期限は、いつまでか

独立1年目の支払いを並べた表は、一人親方が独立1年目に払うお金のカレンダー|きついのは1年目ではなく2年目が使えます。

まとめ

払えない月は、未納にせず、国民年金法90条・90条の2の免除を申請してください。免除期間は受給の期間に数えられ、10年以内なら94条で追納できます。条文は2026年10月5日にe-Gov法令検索で確認しました。基準額や手続きは年度ごとに変わることがあるため、市区町村の窓口や年金事務所にご確認ください。

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