見習いが学生時代の国民年金を追納するか考えるとき|特例の期間は、追納しないと年金額に入りません
結論からお伝えすると、学生納付特例で払わなかった国民年金の保険料は、あとから追納できます(国民年金法94条)。ただし、追納しなかった特例の期間は、老齢基礎年金の年金額には反映されません。年金額の計算を定める27条が、保険料全額免除期間の2分の1を反映するときに、90条の3(学生納付特例)による期間を除いているためです(27条8号)。一方で、その期間は年金を受け取る資格の期間には数えられます。追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内の分です。
学生納付特例は「払わなくてよい」ではなく「払うのを待ってもらう」制度
国民年金法90条の3は、学生等である被保険者で、前年の所得が政令で定める額以下などの場合に、申請すると保険料を納付しなくてよいとしています。あわせて、その期間は保険料全額免除期間に算入できると定めているので、何も申請しなかった未納とは扱いが違います。ただし、年金額の計算では反映されない、という点が、まず知っておくところです。

追納すると何が変わるのか
追納した保険料は、追納した日に納付されたものとみなされます(94条4項)。つまり、追納すれば、その月は保険料納付済期間として年金額に入ります。老齢基礎年金の満額は、保険料納付済期間が480か月(40年)ある場合の額で、480か月に満たないと、その分の割合で減ります(27条ただし書き)。
- 学生納付特例が4年(48か月)で、ほかの月がすべて納付済みなら、納付済期間は432か月です
- 追納しなければ、年金額は満額の480分の432、つまり9割になります
- 48か月分を追納すれば、その48か月は納付済みに数えられます
年金額の計算は制度の改正で変わることがあるので、実際の見込み額は、日本年金機構のねんきんネットや年金事務所で確認してください。
追納にはいくら余分にかかるのか?
追納する額は、その月の保険料に加算額を足した額です(94条3項)。加算額は国民年金法施行令10条の表で年度ごとに率が決まっていて、この表では令和2年度分が0.032、令和5年度分が0.015と、古い年度ほど率が高くなっています。追納できる期間は承認の日の属する月前10年以内なので、先送りするほど加算も増え、期限も近づきます。実際の追納額は、日本年金機構が案内する額で確認します。追納した保険料は、一般的には所得税の社会保険料控除の対象になりますが、扱いは税務署や税理士に確認してください。

追納するかどうかの決め方
見習いの収入はまだ少ないことが多く、手取りを削って追納するのが難しい時期もあります。そのときは、次の3つを順に確かめると整理しやすくなります。
- 学生のころに特例を申請していたのか、何も申請せず未納だったのかを確かめる(ねんきんネットや年金事務所で月数が分かります)
- 特例の期間なら、追納できる期限(承認の月前10年以内)を確かめる
- 手取りの中で出せる範囲を決める(古い月ほど期限が先に来るので、先送りしすぎない)
一部だけ追納するときの順番は94条2項が決めていて、学生納付特例の月が先になります。
未納のままの月は、追納ではなく別の話になる
何も申請しないまま払わなかった期間は、免除や特例を受けた期間ではなく未納です。追納の対象は免除や特例で納付を要しないとされた保険料なので、未納は追納できません。保険料を納める権利は、納期限から2年たつと時効で消えるため(国民年金法102条4項)、未納の月は2年を過ぎると原則として納められなくなります。学生のころの月が未納か特例かで、取れる手段が変わります。
まとめ
学生納付特例の期間は、追納しなくても年金を受け取る資格の期間には数えられますが、年金額には反映されません。追納は承認の月前10年以内で、古い年度ほど加算率が高くなります。自分の月数と追納額は、年金事務所やねんきんネットで確認してください。
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