一人親方が引っ越したときの届出|税務署への異動届は2023年から不要で、期限があるのは役所と車と登記です

結論からお伝えすると、一人親方が引っ越したとき、税務署へ出す「納税地の異動に関する届出書」は、2023年1月1日以後は提出が不要になりました。次の確定申告書に新しい住所を書けば足ります。一方で、期限つきの届出は役所と車の側に残っています。住民票は14日以内、車の登録や車検証の住所は15日以内、自宅を持っているなら登記の住所変更は2年以内です。

引っ越しの翌朝、新しい部屋の段ボールを積んだまま、軽バンで現場へ向かう。車検証の住所は前のまま、請求書の住所も前のまま、労災の特別加入の団体にもまだ言っていない。忙しい時期の引っ越しほど、届出は後回しになりがちです。どれに期限があり、どれは急がなくていいのかを、条文と国税庁の案内から並べておきます。

引っ越しの届出ごとの期限をまとめた図解

税務署への届出は、本当に要らなくなったのか

要らなくなりました。国税庁の案内「納税地の特例等に関する手続の変更について」(令和4年12月)によると、令和4年度の税制改正で、令和5年1月1日以後は「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」と「納税地の変更に関する届出書」の提出が不要とされました。異動後の納税地は、所得税や消費税の申告書に書けばよいとされています。

ただし同じ案内は、税務署からの送付文書の送り先を変えたいなどの理由で、年の途中で納税地を異動・変更する意思があるときは「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を出すことを案内しています。予定納税の通知や書類を新しい住所で受け取りたいなら、出しておくと安心です。自宅を事業所にしている場合の納税地の考え方は一人親方の事業所は自宅でいいのかにまとめています。

期限がある届出はどれか

  1. 住民票(14日以内):市町村をまたぐなら転入届、同じ市町村の中なら転居届を、引っ越した日から14日以内に出します(住民基本台帳法22条・23条)。前の市町村には、あらかじめ転出届を出します(24条)。正当な理由なく届出をしないと、5万円以下の過料の対象です(52条2項)
  2. 国民健康保険(14日以内):同じ市町村の中で世帯主の住所が変わったとき(国民健康保険法施行規則10条)や、同じ都道府県の別の市町村へ移ったとき(同11条)は、14日以内に届け出ます。建設国保などの組合に入っている場合は、組合の決まりを確認してください
  3. 車(15日以内):普通車・小型車は、所有者の住所や使用の本拠の位置が変わったら15日以内に変更登録を申請します(道路運送車両法12条1項)。軽自動車は、車検証の記録事項の変更として15日以内に変更記録を受けます(同67条1項)。使用の本拠が変わる変更登録では、保管場所の証明書面の提出が求められます(自動車の保管場所の確保等に関する法律4条)
  4. 自宅の登記(2年以内):持ち家を持っているなら、2026年4月1日から、所有権の登記名義人は住所の変更から2年以内に変更の登記を申請しなければなりません(不動産登記法76条の5)。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象です(同164条2項)

建設業の許可を持っているときは

許可を受けた建設業者は、営業所の名称や所在地などに変更があったとき、30日以内に変更届出書を出します(建設業法11条1項、5条)。知事の許可のまま別の都道府県へ営業所を移す場合は、移った先で許可を受け直す「許可換え」になり、建設業法9条に定めがあります。どちらも窓口の都道府県で事前に確認してください。許可を持っていない一人親方は、この手続きはありません。

法律の期限はないが、早めに伝える先

  • 労災の特別加入の団体:加入している団体の名簿の住所を直します
  • 取引先:請求書・見積書・注文書の住所。古い住所の請求書は、相手の経理で止まることがあります
  • 口座のある金融機関:屋号口座の届出住所
  • 地図や検索の登録:自宅を出さずに登録している場合も、サービス提供地域を見直します。登録の考え方は一人親方がGoogleマップに載るとどう変わるかに書きました

持ち家の登記については、大家さん向けに書かれた大家さんの住所変更登記が2026年4月から義務にも、手続きの流れの参考になります。

引っ越しの週にやることの順番の図解

まとめ

税務署への異動届は2023年から不要で、確定申告書に新しい住所を書けば足ります。期限があるのは、住民票と国保の14日、車の15日、登記の2年です。許可業者なら建設業法の変更届30日も加わります。引っ越しの週のうちに役所と車を片づけ、取引先と団体には請求の前に伝えてください。条文は2026年10月8日にe-Gov法令検索で確認しました。税務は税務署、車は運輸支局や軽自動車検査協会、登記は法務局にご確認ください。

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