一人親方が事業用の車を名義変更するとき|所有者が変わったら15日以内で、軽と普通車では手続きの先が違います
結論からお伝えすると、一人親方が事業用の車を譲り受けたり、個人から自分の会社へ移したりして所有者が変わったら、新しい所有者は15日以内に手続きをします。普通車・小型車(1BOXの4ナンバーなど)は運輸支局での移転登録(道路運送車両法13条1項)、軽バンは登録の対象外なので、車検証の記録事項の変更(同67条1項)です。申請をしないと、普通車・小型車は50万円以下、軽は30万円以下の罰金の規定があります。
独立のとき、親方が「もう乗らないから持っていけ」と、使い込んだ1BOXのキーを渡してくれた。荷台には前の屋号のステッカーの跡、車検証の所有者は親方のまま。ありがたく乗り始めて、気づけば1か月がたっている。こういう譲り受けは珍しくありません。どこで何を、いつまでにするのかを条文で確かめておきます。

名義変更が必要になるのはどんなときか
- 親方や知人から車を譲り受けた、中古車を個人から買った
- 個人事業で使っていた車を、法人成りして自分の会社の名義にする
- 家族名義の車を自分の名義にする
どれも「所有者の変更」です。法人成りで個人から会社へ移すときは、売買にするか、ほかの形にするかで税金の扱いが変わります。考え方は一人親方が工具を法人へ移すときに書きました。車は名義が登録されているので、どの形でも名義の手続きが別に要ります。
普通車・小型車と軽で、何が違うのか
道路運送車両法4条は、自動車登録ファイルへの登録を受けなければ運行できない自動車から、軽自動車、小型特殊自動車、二輪の小型自動車を除いています。ここで手続きが2つに分かれます。
- 普通車・小型車:所有者が変わったら、新所有者が、その事由があった日から15日以内に移転登録を申請します(13条1項)。申請をしない場合、または虚偽の申請をした場合は、50万円以下の罰金の規定があります(109条2号)
- 軽自動車:登録の仕組みの外にあるので、車検証の記録事項に変更があったとして、使用者が15日以内に変更記録を受けます(67条1項)。違反には30万円以下の罰金の規定があります(110条1号)
どちらも「15日」です。期限の起点は「その事由があった日」なので、キーを受け取った日や代金を払った日から数えると考えておくのが安全です。

車庫証明は取り直すのか
移転登録で使用の本拠の位置も変わるときは、警察署長が交付する保管場所の証明書面を提出します(自動車の保管場所の確保等に関する法律4条)。親方の車庫から自分の家の駐車場へ置き場所が変わるなら、この場面です。軽自動車は、保管場所の位置を変えたときに15日以内に届け出る規定があります(同7条。届出が要るのは政令で定める地域だけです)。管轄の警察署で必要書類を確認してください。
3月に譲り受けるときに気をつけることは何か
自動車税の賦課期日は4月1日です(地方税法155条)。軽自動車税も同じく4月1日です(同449条)。名義変更が3月末から4月にずれ込むと、その年度の税の扱いが4月1日時点の名義で判断されます。3月に車をやり取りするなら、手続きを3月中に終えるか、その年度の税をどちらが負担するかを先に話しておくと揉めません。
任意保険も、所有者や使う人が変わったら保険会社に連絡します。名義が変わったのに保険の契約が前のままだと、事故のときに確認の手間が増えます。
手続きの順番
- 譲る側から、手続きに必要な書類を受け取る(普通車・小型車は印鑑証明や譲渡証明書など。必要なものは運輸支局の案内で確認)
- 置き場所が変わるなら、警察署で保管場所の証明を取る
- 15日以内に、普通車・小型車は運輸支局、軽は軽自動車検査協会で手続きをする
- 保険会社と、取引先に届けている車両情報(入場許可や駐車の届け)を直す
買う時期と経費の関係は一人親方が仕事の車を買う時期に、乗れる車の区分は未経験が確かめる職人の車の免許にまとめています。
まとめ
所有者が変わったら15日以内です。普通車・小型車は移転登録(13条1項)、軽は車検証の変更記録(67条1項)で、窓口も違います。置き場所が変わるなら保管場所の証明、3月のやり取りなら4月1日の賦課期日も気にしておきます。条文は2026年10月8日にe-Gov法令検索で確認しました。必要書類は運輸支局、軽自動車検査協会、警察署、税の扱いは都道府県税事務所や市町村にご確認ください。
実地の話は相談・雑談の掲示板でも交わされています。


