現場でセクハラを受けた見習いが相談するとき|会社には相談の体制を整える義務があり、相談を理由にした解雇は禁じられています

結論からお伝えすると、現場でセクハラを受けた見習いは、まず会社の相談窓口に相談できます。男女雇用機会均等法11条1項は、職場での性的な言動によって労働者が不利益を受けたり、就業環境が害されたりしないよう、会社に相談の体制を整えるなどの措置を義務づけています。相談したことを理由にした解雇や不利益な取扱いは、同条2項で禁じられています。会社が動かないときは、都道府県労働局に助言や調停を求める道もあります。性別を問わず使える仕組みで、女性の見習いも、男性の見習いも対象です。

会社に求められていることは何か

11条1項が会社に求めているのは、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置です。条文が対象にするのは「職場において行われる性的な言動」で、言った人が社内の人に限られるとは書いていません。現場は、元請の担当者や他社の職人と同じ場所で働く職場です。

  • 性的な言動に対する対応で、労働条件が不利益になること(断ったら外された、など)
  • 性的な言動によって、働く環境が害されること

具体的に会社が何をすべきかは、厚生労働大臣が指針で定めることになっています(11条4項)。

セクハラで会社に求められることの図解

相談したら、不利に扱われないのか?

11条2項は、労働者が相談を行ったこと、会社の相談への対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないと定めています。「相談したら現場から外された」「次の現場に呼ばれなくなった」といったことが、この条文の問題になります。通報を理由にした解雇の話は、見習いが会社の不正に気づいたとき|通報を理由にした解雇は無効で、12月1日から罰則がつきますで扱っています。

相談する前に、手元に残しておくもの

  1. いつ、どこで、誰が、何を言った・したかを、その日のうちにメモする
  2. その場にいた人、見ていた人の名前
  3. LINEやメールなど、残っているやり取りの画面

これらは法律が求める手順ではありません。相談の場で事実を伝えやすくするための、実務上の備えです。

会社が動かないときの進め方の図解

会社が動かないとき

会社が相談に応じない、窓口がない、といったときは、都道府県労働局に援助を求められます。均等法22条は、11条1項・2項について労働者と事業主の間で紛争になったときの特別な仕組みを定めています。労働局長は、当事者の一方または双方から求められれば、必要な助言、指導または勧告をすることができます(23条1項)。援助を求めたことを理由に、会社が解雇などの不利益な取扱いをすることも禁じられています(23条2項)。そこで解決しないときは、調停を申請することもできます。労働局長が必要と認めれば、紛争調整委員会が調停を行い、調停は3人の調停委員が行います(24条・25条)。窓口は、各労働局の雇用環境・均等部(室)です。

2026年10月1日から変わった条文の番号

均等法は、2026年10月1日から条文の番号が変わりました。法令データには、改正法として令和7年法律第63号が載り、公布日は2025年6月11日、施行日は2026年10月1日となっています。セクハラの会社の措置義務は、これまでどおり11条です。変わったのは、その周りの番号です。

  • 職場の性的な言動についての国・事業主・労働者の責務は、旧11条の2から12条へ
  • 求職活動中の人への性的な言動に対する会社の措置は、新しく13条に置かれた
  • 妊娠中の健康診査の時間の確保は、旧12条から17条へ

古い解説を読むと、番号が合わないことがあります。条文は、e-Gov法令検索で現在の番号を確かめてください。

一人親方が同じ目に遭ったとき

11条は、会社が「雇用する労働者」を守る条文です。請負で働く一人親方には、この条文で会社に措置を求める形はとれません。その場合は、取引先との契約で定めた窓口や、警察、弁護士会などの相談窓口が入口になります。

まとめ

現場でセクハラを受けた見習いは、均等法11条1項により、会社に相談でき、会社は相談の体制を整えるなどの措置をとらなければなりません。相談したことを理由にした不利益な取扱いは、11条2項で禁じられています。会社が動かなければ、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。個別のケースの判断は、労働局や弁護士にご確認ください。

働き方の相談をしたい方は、これから職人になりたい人向けの掲示板もご活用ください。

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