見習いがミニユンボに乗る前に|機体重量3トン未満は特別教育、3トン以上は技能講習です

結論からお伝えすると、見習いがミニユンボ(小型のバックホウ)を現場で運転するには、機体重量が3トン未満なら特別教育(労働安全衛生規則36条9号)、3トン以上なら技能講習の修了などの資格(労働安全衛生法施行令20条12号)が必要です。特別教育の時間は学科7時間・実技6時間です。そして、乗れるようになってからも、バケットで荷を吊ることは原則として禁止されています(規則164条1項)。

解体の片付けで、庭のブロックを掘り起こす。トラックから下ろした小さな重機のキーを渡され、「レバーは2本だけだから」と言われる。乗れば動かせそうに見える機械ほど、乗る前に確かめることがあります。

ミニユンボに乗る前に確かめる特別教育の時間・技能講習・荷の吊り上げ・立入禁止の4点の図解

どの重機が、どの資格になるのか

規則36条9号が特別教育の対象にしているのは、機体重量3トン未満の、施行令別表第七の1号・2号・3号・6号に当たる機械です。別表第七に並んでいる名前は次のとおりです。

  • 1号 整地・運搬・積込み用:ブル・ドーザー、トラクター・ショベルなど
  • 2号 掘削用:パワー・ショベル、ドラグ・ショベルなど(現場でバックホウ・ユンボと呼ぶものはここ)
  • 3号 基礎工事用:くい打機、アース・オーガーなど
  • 6号 解体用:ブレーカなど

同じ機械でも、機体重量が3トン以上になると施行令20条12号の業務に変わり、技能講習の修了などがないと就けません(労働安全衛生法61条1項)。境目は「運転のうまさ」ではなく機体重量です。乗る前に、その機械が何トンなのかを会社に確かめてください。

なお、どちらの条文も「道路上を走行させる運転を除く」と書いています。公道を走らせるのは、この教育や講習ではなく運転免許の話です。

特別教育では、何を何時間習うのか

厚生労働省が公表している特別教育の科目と時間の表では、整地・運搬・積込み用と掘削用の小型機械は次のとおりです。

  1. 走行に関する装置の構造と取扱いの方法:3時間
  2. 作業に関する装置の構造・取扱いと作業方法:2時間
  3. 運転に必要な一般的事項:1時間
  4. 関係法令:1時間
  5. 実技:走行の操作4時間、作業装置の操作2時間

学科7時間・実技6時間で、合わせて13時間です。特別教育全体の受け方は見習い職人の特別教育の受け方と費用に、取る順番は見習い職人が取る資格の順番にまとめています。

バケットで荷を吊ってもいいのか?

原則としてできません。規則164条1項は、車両系建設機械を「パワー・ショベルによる荷のつり上げ」など主たる用途以外に使うことを禁止しています。

例外は2項にあり、作業の性質上やむを得ないときなどで、しかもアームやバケットに、強度が足りて外れ止めのあるフックなどの金具を付けて使う場合に限られます。そのときも会社は、合図の人を指名する、平らな場所でやる、吊った荷の下に人を入れない、決められた最大の荷重を超えない、といった措置を取らなければなりません(3項)。バケットの歯にロープを掛けて吊る、という使い方は、この例外に入りません。

運転席を離れるときにバケットを下ろしエンジンを止めブレーキをかける手順の図解

乗っているとき、降りるときの決まり

  • 周りに人を入れない:機械に接触するおそれのある場所への立ち入りを禁止する。誘導者を置く場合は、運転者はその誘導に従う(158条)
  • 運転席以外に人を乗せない:バケットや車体の上に人を乗せて運ばない(162条)
  • 降りるときは3つ:バケットなどを地上に下ろす、エンジンを止める、走行ブレーキをかける(160条)。これは会社だけでなく運転者本人の義務でもあります(同条2項)
  • 路肩や傾斜地:転倒時保護構造とシートベルトのある機械を使い、シートベルトを使わせるよう努める(157条の2)

まとめ

ミニユンボは、機体重量3トン未満なら学科7時間・実技6時間の特別教育、3トン以上なら技能講習の修了などが要ります。乗れるようになっても、バケットで荷を吊るのは原則禁止で、例外には金具と合図者などの条件が付きます。席を離れるときは、バケットを下ろしてエンジンを止め、ブレーキをかける。条文は2026年10月10日にe-Gov法令検索で確認しました。自分の現場の扱いは、会社の安全担当や労働基準監督署にご確認ください。

(出典:労働安全衛生法59・61条/同法施行令20条12号・別表第七/労働安全衛生規則36条9号・157条の2・158条・160条・162条・164条。いずれもe-Gov法令検索の現行条文。時間数は厚生労働省「別表5(別紙)」特別教育の科目と時間の表)

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