見習いが夜の現場に入るときの健康診断|深夜業を含む仕事は、6か月以内ごとに1回です
結論からお伝えすると、午後10時から午前5時までの「深夜業」を含む仕事に常時就く見習いは、会社が行う健康診断を、配置替えのときと6か月以内ごとに1回受けることになっています(労働安全衛生規則45条1項・13条1項3号ヌ)。昼の仕事の人は1年に1回なので、回数が倍になります。ただし胸のエックス線の検査は1年に1回でよいとされています。
店舗の改装で、閉店後の22時に集合し、朝の5時に養生をはがして引き上げる。そんな週が続くと、体は昼の現場とは違う疲れ方をします。この記事では、夜の現場が増えたときに健康診断がどう変わるのかを、規則の原文で確かめます。

「深夜業」は何時から何時までか
労働安全衛生法66条の2は、深夜業を「午後十時から午前五時まで」の間の業務と書いています。22時集合の現場は、集合した時点から深夜業に入ります。0時に終わる日でも、2時間は深夜業です。
規則13条1項3号は、産業医の選任の条文の中に、特に気をつける業務の一覧を持っています。その「ヌ」が「深夜業を含む業務」です。規則45条は、この一覧の業務に常時従事する人を「特定業務従事者」として、健康診断の回数を増やしています。

年1回の健康診断と、何が違うのか
- 回数:昼の仕事は1年以内ごとに1回(規則44条1項)。深夜業を含む仕事は、配置替えの際と6か月以内ごとに1回(45条1項)
- 項目:どちらも44条1項の11項目(既往歴、身長・体重・腹囲・視力・聴力、胸部エックス線、血圧、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、尿、心電図など)
- 胸部エックス線:深夜業でも1年以内ごとに1回でよい(45条1項の後半)
- 省略できる項目:前回受けた貧血・肝機能・血中脂質・血糖・心電図は、医師が必要でないと認めれば省略できる(45条2項)
つまり、半年ごとに毎回すべてを受け直すとは限りません。何を受けるかは医師の判断で変わります。
たまの夜勤でも「常時従事」に入るのか?
45条の「常時従事する」が月に何回からなのかは、規則の条文には書かれていません。ここは推測で言い切らないほうがよいところです。
回数が条文に出てくるのは、別の制度です。規則50条の2は、常時使用されていて、健診を受けた日の前の6か月を平均して月4回以上の深夜業に就いた人は、自分で受けた健康診断の結果を会社に出せる、としています(労働安全衛生法66条の2)。夜が続いて体調が気になるとき、次の会社の健診を待たずに自分で受けて、結果を出せる仕組みです。
自分の働き方が45条の対象になるのかは、会社の担当者か、管轄の労働基準監督署に確かめてください。
受けるのは会社の義務で、本人の務めでもある
健康診断を行わないと、会社は50万円以下の罰金の対象になります(労働安全衛生法120条1号、66条1項)。一方で、労働者の側にも「受けなければならない」と書かれています(同法66条5項)。会社が指定した医師で受けたくない場合は、別の医師で同じ内容を受けて、結果を会社に出せば足ります。
雇われずに一人親方として夜の現場に入る場合は、この規則の義務の外になります。その場合の考え方は一人親方の健康診断は自腹なのかにまとめています。夜の時間の給料の計算は見習いが残業代を確かめるときもあわせてどうぞ。
まとめ
午後10時から午前5時までにかかる仕事に常時就くなら、健康診断は配置替えのときと6か月以内ごとに1回です。胸部エックス線は年1回でよく、前回受けた血液や心電図の検査は医師の判断で省けます。たまの夜勤がこれに当たるかは条文に回数がないので、会社か監督署に確かめる。月4回以上の夜が半年続いたら、自分で受けた健診の結果を出すこともできます。条文は2026年10月10日にe-Gov法令検索で確認しました。
(出典:労働安全衛生法66条・66条の2・120条/労働安全衛生規則13条1項3号・44条・45条・50条の2。いずれもe-Gov法令検索の現行条文)
夜の現場の働き方について相談したい方は、これから職人になりたい人向けの掲示板もあります。


