一人親方が協力会社を探すとき、施工能力は公表されています|内装はまだ対象外です

人手が足りなくて、同業者に1人出してもらう。最初の1回は知り合いのつてで回ります。2回目から困るのが、知り合いがいない職種です。電気とクロスは自分でできても、床だけは誰に頼めばいいか分からない——協力会社を探す話は、たいていこの形で始まります。

結論からお伝えすると、専門工事の会社の施工能力は、国の制度で評価されて一覧が公表されています。「専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度」といって、令和2年3月31日の告示とガイドラインで始まったものです。ただし、いま評価が動いているのは12職種で、内装仕上げもクロスも対象に入っていません。使えるところと使えないところを、先に分けて書きます。

協力会社を探すときに先に見る4か所。見える化評価の企業一覧、建設業許可の有無、監督処分の記録、現場に来る人を並べた図

公表されているのは、いまのところ12職種

国土交通省のサイトに「見える化評価企業一覧」が置かれていて、職種ごとに評価を行う団体と、評価を受けた会社の一覧が並んでいます。2026年9月23日時点で載っているのは次の12です。

  • 基礎ぐい/切断穿孔/機械土工/土工
  • 建築大工(工務店)/鉄筋/とび・土工/左官
  • PC工事/コンクリート圧送/エクステリア/圧入

躯体まわりが厚く、仕上げが薄い並びです。内装・塗装・設備はまだ入っていません。評価団体の一覧のページでは、内装仕上工事・配管・型枠などが「検討中」として載っています。国土交通省はページの中で「対象職種については更なる拡大に向けて専門工事団体と連携して取り組んでまいります」と書いていて、要望の受け付け先も案内しています。

評価の中身は、企業の基礎情報に加えて施工能力とコンプライアンスの状況です。項目は職種ごとに違うので、具体的な物差しは各団体のサイトで確かめることになります。

一人親方でも評価を受けられるのか?

受けられる職種があります。建築大工では評価の一覧が2本立てになっていて、工務店向けのものと、「工務店評価S(一人親方等)」が別に置かれています。人を雇っていない規模でも、評価の入口が用意されているということです。

申請の前提は1つで、評価を受ける職種について建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録を済ませていること。見える化評価は、CCUSに登録・蓄積された情報と技能者の能力評価を使う仕組みだからです。登録そのものの費用は一人親方はCCUSに登録すべきかに実額を書いています。

手続きの細かいところは評価を行う団体ごとに違います。国土交通省のページにも「手続きについては必ず各機関の案内ページを確認してください」と書かれているので、そこは団体の窓口に直接あたってください。

9月17日に、この制度の見直しが始まりました

2026年9月15日、国土交通省が「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会 第1回 企業評価ワーキンググループ」を9月17日に開くと公表しました。議題に挙がっているのは、現行の企業評価制度(経営事項審査制度、専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度など)の検証と、新しい評価の観点、評価結果を使ってもらうための方向性です。

2017年にまとめた「建設産業政策2017+10」から10年になるのを受けて、今年7月から親の検討会が動いています。その下に「企業評価」と「入札・発注」の2つのワーキンググループを置く、という構成です。

会議の資料は終了後に国土交通省のサイトに載る予定と書かれていました。いま対象に入っていない職種の人ほど、この先の議論で扱いが変わる可能性があります。年内は、資料が出たら目を通しておく価値があります。

人に頼む側に回ったときに付く3つの義務。一括下請負の禁止、支払いは1か月以内、検査は20日以内を条文つきで並べた図

頼む側になると、こちらに義務が付く

協力会社を探すという話は、裏を返すと自分が注文する側に回るということです。建設業法の義務が、そのままこちらに向きます。押さえておくのは3つです。

  1. 丸投げはできない(第22条)。請け負った工事を、いかなる方法をもってするかを問わず一括して他人に請け負わせてはならない、と書かれています。第2項で、受けたほうも同じく禁じられています。重要な建設工事以外で、元請負人が発注者から書面の承諾を得たときだけ例外です
  2. 支払いは1か月以内(第24条の3)。元請負人が出来形や完成の支払いを受けたら、その工事をした下請負人に、受けた日から1か月以内で、かつできる限り短い期間内に支払う。第2項では、労務費に相当する部分は現金で払うよう配慮するとされています
  3. 検査は20日以内(第24条の4)。下請から完成の通知を受けたら、20日以内で、かつできる限り短い期間内に検査を終える。確認したあと申し出があれば、直ちに引き渡しを受ける

1つ目は特に効きます。自分が受けた工事をそのまま人に渡す形は、丸投げは受けた側も処分の対象ですで書いたとおり、渡した側だけの問題では終わりません。

付き合いが続くのは、金払いの日が動かない相手

探し方より難しいのが、続けることです。実務で差が出るのは、腕よりも次の3つでした。

  • 支払日が毎回同じ。「今月は少し遅れる」が2回続くと、次から声をかけても断られます
  • 段取りを前の日までに渡している。材料・鍵・駐車場所の3つが当日決まる現場は、手間の単価が同じでも敬遠されます
  • 変更を口頭で済ませない。範囲が増えたら、その場で金額と一緒に書面にする

当日の段取りで抜けやすいところはチームを作るときのメンバーの選び方にも並べています。

都合の悪いことも書いておきます

見える化評価は、まだ「載っていない会社=良くない会社」ではありません。対象職種が12に限られているうえ、評価を申請していない会社も多いからです。一覧に名前がないことを理由に外すと、選択肢がほとんど残りません。

そして評価があっても、自分の現場での相性までは分かりません。最初の1回は小さい範囲で頼んで、支払いと引き渡しまで1周させてみる。結局のところ、これがいちばん確かです。

まとめ

  • 専門工事会社の施工能力は国の制度で評価され、一覧が公表されている(見える化評価制度・令和2年3月31日の告示とガイドライン)
  • 対象はいまのところ12職種で、内装・クロスは入っていない
  • 建築大工には「工務店評価S(一人親方等)」があり、一人でも評価を受けられる。前提はCCUSの事業者登録
  • 2026年9月17日から企業評価ワーキンググループで現行制度の検証が始まった(同年9月15日公表)
  • 頼む側に回ると、一括下請負の禁止(22条)・1か月以内の支払い(24条の3)・20日以内の検査(24条の4)がこちらに付く

人を頼みたいとき・頼まれたいときの板は分けてあります。仕事を頼みたい人の掲示板をのぞいてみてください。

(出典:国土交通省「【CCUSポータル】専門工事企業の施工能力等の見える化」、同「『持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会 第1回 企業評価ワーキンググループ』開催について」令和8年9月15日、建設業法/e-Gov法令検索・いずれも2026年9月23日時点)

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