一人親方が再下請負通知書を求められたとき|出すのは、請け負った仕事をさらに他社へ出した人です

結論からお伝えすると、再下請負通知書を出すのは、請け負った仕事をさらに他の建設業を営む人に請け負わせた下請負人です。建設業法24条の8第2項が根拠で、記載する内容は建設業法施行規則14条の4に決まっています。自分1人で施工する一人親方は、条文の上では通知をする側にはなりません。ただし、応援の職人を「請負」の形で呼んだ途端、通知をする側に変わります。現場から書類を求められたら、まず「自分は仕事をさらに出したのか」を確かめてください。

誰が、誰に出す書類なのか

元請けの特定建設業者は、発注者から直接請け負った工事で、下請契約の代金の総額が政令の金額以上になるとき、施工体制台帳を作って現場に置かなければなりません(24条の8第1項)。その金額は、建設業法施行令7条の4で5,000万円、建築一式工事なら8,000万円です。台帳に載せる下請けの情報を集めるために、下請負人が「自分はこの会社にさらに出した」と元請けへ知らせるのが、再下請負通知です。

  • 通知する人:請け負った工事を、他の建設業を営む者に請け負わせた下請負人
  • 通知する相手:施工体制台帳を作る特定建設業者
  • 元請けは、下請負人に対して「再下請負通知を行う必要があること」と提出先を書面で知らせます(施行規則14条の3第1項)

公共工事だと、金額の条件は変わるのか?

変わります。公共工事では、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律15条1項が、建設業法24条の8の「特定建設業者」を「建設業者」に、「代金の総額が政令で定める金額以上になる」を「下請契約を締結した」に読み替えます。つまり、下請けが1社でも施工体制台帳が要ります。民間工事で台帳の対象にならない規模の現場でも、公共工事なら通知を求められる可能性があります。

民間工事で法律上の台帳の作成義務がない現場でも、元請けが管理のために同じ書類を求めることがあります。その場合は条文ではなく、元請けとの取り決めの話になるので、何のために必要な書類かを聞いておくと安心です。

再下請負通知の要点を5つのポイントでまとめた図解

書くこと、付けるもの

再下請負通知書に書く事項は、施行規則14条の4第1項が次の3つにまとめています。

  1. 通知する人(自分)の商号または名称、住所、建設業者であるときは許可番号
  2. 自分が請け負った工事の名称、注文者の名称、注文者と下請契約を結んだ年月日
  3. 自分がさらに請け負わせた相手の情報(商号・住所、許可番号と業種、健康保険等の加入状況、その相手が請け負った工事の名称・内容・工期など)

通知は、請け負わせるたびに、遅滞なく書面で行います(同条2項)。相手の承諾を得れば、電子的な方法でも構いません(同条4項、7項)。許可を持たない一人親方は、許可番号の欄は「建設業者であるとき」に限られるので、許可がなければ書く必要はありません。

契約書の写しには、金額を載せなければならないのか?

通知書には、自分が相手と結んだ請負契約の書面(建設業法19条1項・2項の書面)の写しを添付します。ただし、公共工事以外の工事では、請負代金の額に係る部分を除いて構いません(施行規則14条の4第3項)。民間工事で、さらに出した相手への支払額まで元請けに見せる必要はありません。公共工事では、金額の部分も含めて付けることになります。

民間工事と公共工事で台帳の条件が違うことを比べた図解

応援を呼ぶときに気をつけること

応援を「人を出してもらう」形で頼むと、実態が請負ではなく、労働者供給にあたるおそれがあります。請負として頼むなら、通知をする側に回るので、上の3つの情報を相手から集める必要があります。人の集め方と請負の条件は職人チームを作るときのメンバーの選び方、元請けから最初に求められる書類の全体像は一人親方が元請けから求められる書類一式にまとめています。公共工事の入口は一人親方が公共工事に関わる入口はどこかも参考になります。

書類を求められたときの確認

  1. 自分はその工事を、さらに他の人に請け負わせたか(請け負わせていなければ、条文の上では通知の対象ではありません)
  2. 民間工事か、公共工事か
  3. 元請けの様式は、何のための書類か(法律上の書類か、元請けの管理のための書類か)
  4. 相手の情報(許可番号、加入状況)を、いつまでに集められるか

現場によっては、さらに出していなくても「なし」と記入して提出を求められることがあります。様式の意味が分からないときは、元請けの担当者に聞いてください。

まとめ

再下請負通知書は、請け負った仕事をさらに他の建設業者へ出した下請負人が、元請けへ出す書類です。民間工事で契約書の写しを付けるときは、請負代金の額の部分を除けます。公共工事は下請けが1社でも台帳の対象になります。個別の現場の扱いは、元請けや行政書士、所轄の建設業担当課に確認してください。(出典:建設業法、建設業法施行令、建設業法施行規則、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、e-Gov法令検索、2026年10月1日時点の条文)

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