内装の改修で石綿の事前調査は誰がするのか|調査は金額に関係なく必要で、報告するのは元請けです
結論からお伝えすると、内装の改修でも、石綿(アスベスト)の事前調査は必要です。しかも、調査をするのに工事の大きさの下限はありません。下限があるのは「報告」のほうで、改修なら請負代金の合計が100万円以上のときに、結果を行政へ報告します。この調査と報告を担うのは、発注者から直接請け負った元請業者です(大気汚染防止法18条の15第1項・6項、石綿障害予防規則4条の2第5項)。下請けの職人は、調査の結果を確かめてから材料に手をつける立場になります。
調査は、100万円未満でも要る
大気汚染防止法18条の15第1項は、建築物を解体し、改造し、または補修する作業を伴う工事の元請業者に、石綿の使用の有無の調査を求めています。金額や面積の条件は書かれていません。石綿障害予防規則3条1項も、解体または改修の作業を行うときは、あらかじめ石綿等の使用の有無を調査するよう事業者に求めています。床や壁、天井の材料を替える内装の改修も、この「改修」に入ります。
- 調査そのもの:規模の下限なし
- 行政への報告:解体は床面積80平方メートル以上、改修は請負代金の合計額が100万円以上(大気汚染防止法施行規則16条の11第1項)
- 工事を小分けにして100万円未満に見せても、1つの契約として合算されます(同条3項)
内装屋の現場では、何をどこまで調べるのか?
調べる対象は、改修の作業に係る部分の全ての材料です。方法は、設計図書などの文書の確認と、目視の確認です(石綿障害予防規則3条2項)。ただし、新築工事の着工日が2006年9月1日以降の建築物は、着工日を設計図書などの文書で確認する方法でよいとされています(同条3項3号)。古い建物ほど、材料ごとに調べる範囲が広がります。調べても石綿の有無が分からなかったときは、分析調査をするか、石綿が使われているものとみなして必要な措置を取ります(同条5項)。
調べる人にも決まりがある
事前調査は、必要な知識を持つ者として厚生労働大臣が定める者に行わせなければなりません(石綿障害予防規則3条4項)。e-Govで前日と当日の条文を比べると、この規定は2023年10月1日から入っています。事前調査の記録は3年間保存し(同条7項)、作業場には調査終了日や結果の概要を見やすく掲示します(同条8項)。

報告は、誰がどこへするのか
報告の先は2つあります。大気汚染防止法の報告は、元請業者が都道府県知事へ行います(18条の15第6項)。労働安全衛生の側では、石綿障害予防規則4条の2が、解体は床面積80平方メートル以上、改修は請負代金が100万円以上の工事について、着工前に電子システムで労働基準監督署長へ報告するよう定めています。仕事の一部を請負人に出している事業者がいる場合は、最も先次の請負契約の注文者が、その作業の全部について報告します(同条5項)。下請けの職人が、自分で報告する仕組みではありません。この報告は2022年4月1日から始まっています。
ただし、一人親方が大家さんや管理会社から直接改修を請け負ったときは、自分が元請けです。その場合は、調査・発注者への説明・報告まで自分の仕事になります。

下請けに入る日の前に確かめること
- 元請けから、事前調査の結果の書面を見せてもらう(石綿の有無と、ないと判断した根拠)
- 調べた人が、資格のある人かを聞く
- 現場に調査結果の掲示があるかを見る
- 結果が出ていない、または石綿ありの材料が含まれる場合は、その材料に触る前に作業の進め方を元請けと決める
石綿を吸い込んだ場合の補償は、一人親方も対象の建設アスベスト給付金で整理しています。健康診断の費用負担は一人親方の健康診断は自腹なのかを見てください。
まとめ
石綿の事前調査は、内装の改修でも金額に関係なく必要です。報告の対象は、改修なら請負代金100万円以上で、報告するのは元請業者です。下請けの職人は、結果を見せてもらってから材料に手をつけてください。個別の現場の扱いは、労働基準監督署や都道府県の担当課、元請けに確認してください。(出典:大気汚染防止法、同法施行規則、石綿障害予防規則、e-Gov法令検索、2026年10月1日時点の条文)
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