見習いが入社時に受ける健康診断|会社に受けさせる義務があり、3か月以内の結果なら出して省けます
結論からお伝えすると、見習いが入社したとき、会社は健康診断を受けさせなければなりません。労働安全衛生規則43条は、常時使用する労働者を雇い入れるときに、医師による健康診断を行うことを事業者に義務づけています。ただし、入社前3か月以内に受けた健康診断の結果を証明する書面を出せば、その分の項目は省けます。面接の前後に自分で受けた診断書があるなら、会社に渡す前に日付を確かめておくと、二度手間になりません。

会社が受けさせる義務がある
労働安全衛生法66条1項は、事業者は労働者に対して、医師による健康診断を行わなければならないと定めています。入社時の中身を決めているのが、労働安全衛生規則43条です。「常時使用する労働者を雇い入れるとき」に、次の11項目を行います。
- 既往歴と業務歴の調査、自覚症状と他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
- 胸部エックス線検査、血圧の測定
- 貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査
- 尿検査、心電図検査
これを行わない事業者には、法120条1号により50万円以下の罰金が定められています。
3か月以内の結果があれば、出して省ける
43条のただし書きは、医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者を雇い入れる場合に、その結果を証明する書面を本人が出せば、相当する項目は行わなくてよいと定めています。転職の間が空いていない人や、学校の健診を受けてすぐに入社した人に使える形です。書面は、結果が分かるものを用意してください。

会社が指定した病院でなければいけないのか?
66条5項は、労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならないとしたうえで、ただし書きを置いています。事業者の指定した医師の健康診断を希望しない場合に、他の医師の同等の健康診断を受けて、その結果を証明する書面を出せば足りるという内容です。受診そのものを断る条文ではなく、受ける場所を選べるという条文です。
「常時使用する」に入るのは、どこまでか
条文は「常時使用する労働者」と書いています。国の通達では、パートやアルバイトであっても、1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上であれば対象に入ると整理されているのが一般的です。日給月給でほぼ毎日入っている見習いは、対象に入ると考えて動くのが安全です。判断に迷うときは、労働基準監督署に確認してください。
診断の結果は、どう扱われるのか
労働安全衛生規則51条は、事業者が健康診断個人票を作成して、5年間保存しなければならないと定めています。診断の結果は、健康を守るための記録です。内容を会社がどこまで見られるか、現場の仲間に知られないかは、気になるところです。不安なら、誰が結果を管理しているかを入社時に聞いてください。
有害な業務に就く人は、別の健康診断もある
66条2項は、政令で定める有害な業務に従事する労働者に、特別の項目についての健康診断を行うことを事業者に求めています。接着剤やシーラーの扱いは、職人が使う接着剤とシーラーは有機溶剤業務か|条文に「接着のため」の言葉がある理由に書きました。雇入れ時の診断とは別枠の診断です。
一人親方になったあとは、誰も受けさせてくれない
この義務は、雇う側の事業者にあります。独立した一人親方は、会社に受けさせてもらう立場ではなくなります。独立後の健診の費用の扱いは、一人親方の健康診断は自腹なのか|9月の強化月間と、注文者が費用を全額持つ条件で書いています。
まとめ
見習いが入社するとき、会社は労働安全衛生規則43条の11項目の健康診断を行う義務があります。入社前3か月以内の結果を出せば、相当する項目は省けます。受ける病院は、66条5項で選べます。条文は2026年10月5日にe-Gov法令検索で確認しました。費用や就業時間の扱いは、会社の規則や労働基準監督署にご確認ください。
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