未経験が職人の求人票で見る日給月給と月給の違い|2026年は月の平日が最大5日ちがう

求人票の給与欄に「月給300,000円」と書いてある。その下の小さな欄に「日給15,000円(日給月給制)」とある。この2つは、同じことを言っていません。前者は一番稼働日が多い月の数字で、後者はそれを作っている中身です。

結論からお伝えすると、日給月給は「日給 × 実際に出た日数」で、月ごとに支給額が動きます。月給(固定給)は、出た日数が減っても原則そのままです。求人票のどちらの制度かで、同じ「月30万円」でも1年の手取りが変わります。

日給月給と月給の比較図。日給月給は日給×出た日数で決まり休むと減る、月給は稼働日が減っても同額。

日給月給と月給は、何がどう違うのか

言葉が似ているので混同しやすいのですが、動き方が逆です。

  • 日給月給:日給を決めておき、出勤日数を掛けて、月にまとめて払う。欠勤・雨天中止・現場の谷間は、その日数ぶん減る
  • 月給(完全月給・固定給):月額を決めておき、稼働日が多い月も少ない月も同じ額が出る
  • 日給:その日ごとに払う。日払い・週払いの現場で使われる

職人の求人で多いのは日給月給です。「月給」と大きく書いてあっても、備考に「日給月給制」「欠勤控除あり」と入っていれば、それは日給の集計だと考えてください。

2026年は、月によって平日が5日ちがう

日給月給で効いてくるのは、月ごとの稼働日数です。内閣府が公表している国民の祝日一覧(2026年は18日)をカレンダーに当てて、土日祝を除いた平日の数を数えると、こうなります。

  • 最も多い月:12月 23日(祝日が1日もない)
  • 次に多い月:6月・7月 22日
  • 最も少ない月:2月 18日/5月 18日

多い月と少ない月の差は5日。土曜を稼働に入れる会社でも、この差はほぼそのまま残ります。日給月給なら、この5日ぶんがそのまま支給額の差になります。(出典:内閣府「国民の祝日について」の祝日一覧)

建設業の出勤日数は、実際どれくらいなのか?

厚生労働省の毎月勤労統計調査 2026(令和8)年6月分結果速報(2026年8月5日公表)に、産業別の実数が出ています。建設業のフルタイム(一般労働者)は次のとおりです。

  • 出勤日数:20.7日(前年差 −0.2日)
  • 所定内給与:369,755円(前年比 +4.0%)
  • きまって支給する給与:395,792円(+3.4%)

所定内給与を出勤日数で割ると、1日あたりおよそ17,900円です。ただしこれは日給そのものではありません。月の所定内給与を日数で割っただけの目安で、残業・休日・深夜の割増手当と賞与は入っていません。母集団は事業所規模5人以上の事業所で、規模5人未満の会社と一人親方は入っていません。

それでも、この数字を先ほどの5日に掛けると意味が見えます。1日17,900円 × 5日 = 約89,000円。2月・5月と12月では、日給月給だとこれだけ違う可能性がある、ということです。

さらに、8月はお盆、1月は年末年始で会社が休みに入ります。カレンダー上の平日と、実際に現場が動く日は同じではありません。年間で見れば平準化しますが、生活は月単位で回っています。ここを知らずに、少ない月の支給額を見て「話が違う」となる人が毎年います。

なぜ会社は日給月給を使うのか

職人にとって不利に見える制度ですが、会社側にも事情があります。受注が天候と元請けの工程に左右されるため、稼働がない月も固定給を払い続けると資金が持たないという構造です。悪意で使われているわけではありません。

そのぶん、日給の額そのものは固定給の会社より高めに設定されていることがあります。「日給月給だから損」と決めつけず、日給の額と年間の稼働日数を掛けて比べてください。月額だけを見比べると判断を誤ります。

職人の求人票で確認する5か所の図。給与の制度名、欠勤控除の有無、雨天中止の扱い、年間休日と土曜、社会保険。

求人票で見る5か所

  1. 給与の制度名:「日給月給」「月給」「日給」のどれか。備考欄まで読む
  2. 欠勤控除の有無:控除ありなら日給月給と同じ動きになる
  3. 雨天中止・現場待機の扱い:休業手当が出るのか、無給なのか
  4. 年間休日と土曜の扱い:隔週土曜稼働なのか、完全週休2日なのか
  5. 社会保険:健康保険・厚生年金の加入があるか

とくに3番は、求人票に書かれていないことが多い項目です。書いていないことは、聞かないと分かりません。

面接で聞いておく3つ

  • 「昨年の12月と2月で、支給額はどれくらい違いましたか」
  • 「雨で現場が飛んだ日は、どういう扱いになりますか」
  • 「1年目は、月に何日くらい出ることになりますか」

金額を聞くのは気が引けるかもしれませんが、制度の確認は条件交渉ではありません。ここを聞かずに入って、2月の給料で驚くほうが、お互いに損です。

面接そのものの進め方は未経験で職人の面接を受けるとき|聞かれる7つと、こちらから聞くべき5つに、金額の実際は未経験から職人になったら年収はいくらかにまとめています。給料が上がる場面は見習いの給料はいつ上がるのか、会社の選び方は未経験で内装の会社を選ぶときの3点を参考にしてください。

制度の細かい扱い(休業手当・欠勤控除の計算方法)は、会社ごとの就業規則と労働基準法の両方が関わります。判断に迷うときは、所轄の労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーへ確認してください。

同じ立場の人がどう決めたかを聞きたいときは、職人になりたい人の掲示板で相談できます。

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