一人親方はインスタとX、どちらを使うか|男性だけなら差は1.5ポイントです
「職人ならインスタでしょう」。この一言で決めてしまう前に、数字を1行だけ見てください。全年代のInstagramの利用率は54.8%、X(旧Twitter)は44.7%。差は10.1ポイントあります。ところが男性だけで数え直すと、46.2%と44.7%で差は1.5ポイントしかありません。
結論からお伝えすると、InstagramとXのどちらが強いかは、見せたい相手の性別と年代で入れ替わります。全年代の平均値でどちらかに決めると、自分が会いたい相手のいない場所を選ぶことになります。
数字はどこから取っているか
使うのは総務省情報通信政策研究所の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」です。2026年6月26日に公表され、平成24年から数えて14回目の調査にあたります。
- 対象者:13歳から79歳までの男女1,800人
- 抽出:性別・年齢10歳刻みで住民基本台帳の実勢比例。全国125地点
- 方法:訪問留置調査
- 調査対象期間:令和7年12月1日(月)~12月7日(日)
母集団の断りを先に書きます。これは全国の一般の人を対象にした調査で、建設業の発注担当者だけを抜き出した数字ではありません。ですから「元請けの担当者の何%が使っている」とは言えません。使えるのは年代と性別で利用率がどう動くかという形だけです。それでも、感覚で決めるよりは足場になります。

全年代で10ポイント、男性だけで1.5ポイント
主なサービスの利用率(令和7年度・全年代)は次のとおりです。
- LINE:92.9%
- YouTube:81.5%
- Instagram:54.8%
- X(旧Twitter):44.7%
- TikTok:36.7%
- Facebook:27.0%
ここで男女別を重ねます。Instagramは男性46.2%・女性63.4%で、17.2ポイントの開きがあります。Xは男性44.7%・女性44.7%で完全に同じです。
つまり、全年代で見たときのInstagramの優位は、女性の利用率が押し上げているものです。声をかけたい相手が現場代理人や施工管理で、その多くが男性である場合、この10.1ポイントは手元では1.5ポイントまで縮みます。「インスタのほうが人が多い」は、相手を絞った瞬間に根拠が薄くなります。
元請けで決裁する人は、何歳くらいか?
年代別を並べると、もう一段はっきりします。
- X:10代56.4%/20代73.4%/30代67.7%/40代57.0%/50代40.2%/60代24.8%/70代10.8%
- Instagram:10代69.3%/20代82.6%/30代76.6%/40代67.1%/50代54.4%/60代36.1%/70代15.8%
Xの山は20代の73.4%です。そこから下がり方が速く、50代で40.2%、60代で24.8%になります。Instagramは同じ年代で54.4%と36.1%なので、50代以上ではInstagramのほうが広く届きます。
発注の可否を決める人が50代以上にいるなら、Instagramが有利です。現場で日々やり取りをする20代から40代が相手なら、どちらでも6割から8割に届きます。この年代は「どちらが強いか」より「どちらなら続けられるか」で選んでよい、ということです。

「Facebookは年配向け」は数字では成り立たない
よく聞く整理に、Facebookは年配層という言い方があります。同じ調査のFacebookの年代別は次のとおりです。
- 10代14.3%/20代23.4%/30代37.4%/40代38.9%/50代33.1%/60代22.6%/70代12.5%
いちばん高いのは40代の38.9%、次が30代の37.4%です。60代は22.6%で、同じ60代のXの24.8%を下回ります。年配向けではなく働き盛りの年代がいちばん多いというのが、この調査の姿です。
ただしFacebookは全年代27.0%で、Instagramの半分です。母数が小さいぶん、更新の手間に対して届く数は少なくなります。3つ同時に始めて全部止まるより、1つに絞るほうが先です。
LINEを「集客の入口」に数えない
利用率だけ見ればLINEが92.9%で最大です。70代でも77.8%あります。それでも、ここでは選択肢から外します。理由は単純で、LINEは知らない人に見つけてもらう道具ではないからです。名前と連絡先を知っている相手とのやり取りに使うもので、新しい相手の画面には出ません。
やり取りに使うときの注意は一人親方が初回の問い合わせに返すとき|相手の家で契約すると、8日間はひっくり返されますにまとめてあります。
選び方の順番
- 会いたい相手の年代を1つ決める。「みんな」を相手にすると平均値に戻ってしまいます
- その年代の利用率を2つ比べる。差が10ポイント未満なら、どちらでも構いません
- 差が小さいほうは、続けられるかで決める。写真が撮りやすい工種ならInstagram、文字で書くほうが早いならX
- 1つに絞って、更新の間隔を先に決める。止まったアカウントは、無いより印象が悪くなります
載せる写真そのものの整え方は一人親方が名刺とSNSにどこまで手をかけるか|先にやることの順番に、写真の明るさをどこまで直してよいかは募集写真は「実物より明るく」でいい|やっていい撮り方と、不当表示になる加工にあります。撮る側と載せる側で、線の引き方は同じです。
まとめ
InstagramとXは、全年代で比べると10.1ポイント差ですが、男性だけなら1.5ポイント差、50代なら14.2ポイント差と、切り方で答えが変わります。どちらが正解かではなく、自分が会いたい相手の年代と性別を先に決めることが答えです。決めてしまえば、比べるのは2つの数字だけで済みます。
(出典:総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)」令和8年6月公表。2026年9月12日確認)


