建設業許可は取るべきか|必要になる金額の境目

結論からお伝えすると、建設業許可を取るかどうかは①1件あたりの請負金額がどこまで伸びているか、②元請けが許可を条件にしてきているか、③許可の要件を今の自分が満たせるか、この3点で決まります。会社の大きさで決まる話ではありません。

先に大事なことを書きます。許可が必要になる金額の線引きは制度として定められていますが、近年その基準について見直しの動きがあります。このため、金額をここで断定することはしません。最新の基準は、必ず都道府県の建設業許可担当窓口で確認してください。ここでは、金額以外の判断材料を整理します。

許可がなくてもできる工事がある

一定の規模までの工事は、許可を持っていなくても請け負えます。制度の上では軽微な建設工事と呼ばれます。一人親方が原状回復や小さな改修を受けている間は、この範囲に収まっていることが多いはずです。

ここで一つ、業界の中でよく取り違えられている点があります。許可は大きい会社が取るものではありません。要件を満たせば一人親方でも取れますし、逆に人数がいても要件を満たせない会社があります。規模ではなく、要件を満たす人がいるかどうかで決まる制度です。

先に、よくある失敗から

  • 元請けから大きめの改修を打診されたが、許可がないため受けられず、話が別の業者に回った
  • 金額を抑えるため工事を2つに分けて契約したが、実質的に1つの工事とみなされる形になっていて指摘を受けた
  • 申請しようとしたら、経験を証明する資料が手元になかった。過去の契約書や請求書を残していなかった
  • 取得はできたが、決算のたびに提出する書類と期間ごとの更新を把握しておらず、期限を過ぎかけた

2つ目は、悪気なくやってしまう典型です。金額の線引きは契約の分け方でごまかせる性質のものではありません。判断に迷う受け方をするときは、契約する前に窓口に相談してください。

許可の要件は大きく5つ

要件中身一人親方でつまずきやすい点
経営を管理する人がいること経営の経験がある人を置く経験の年数を証明する資料が必要
技術を担う人がいること資格または実務経験で示す実務経験の証明に過去の契約書や請求書が要る
誠実に契約を履行すること不正や不誠実な行為がないことふだん問題になることは少ない
財産の裏づけがあること資金や残高で示す証明の方法が決まっている。事前確認が必要
欠格の事由に当たらないこと定められた事由に該当しないこと過去の届出漏れなどが影響する場合がある

この5つのうち、実際に多くの人が引っかかるのは上の2つです。どちらも「過去に自分がやってきたこと」を紙で示す必要があります。ここが、独立して間もない人にとって最大の壁になります。

なお許可には、営業所を置く場所によって知事から受けるものと大臣から受けるものの2種類があります。一人親方が最初に関わるのは前者で、都道府県の窓口が相手になります。複数の都道府県に営業所を構えていない限り、そちらで完結します。

今すぐ取らないなら、何をしておくべきか?

いま許可が要らない規模で仕事をしている方に、いちばんおすすめできるのはこれです。契約書と請求書を捨てないこと。

技術を担う人の要件は、資格がなくても実務経験で示せる道があります。ただしその経験は自己申告では通らず、その期間その工事をやっていたことを示す資料が必要になります。数年後に申請しようとして、資料がなくて年数を積み直すことになった人は少なくありません。年ごとにまとめて保管しておくだけで、将来の選択肢が残ります。

もう一点。許可は工事の種類ごとに分かれています。内装仕上、塗装、大工、防水など、自分が受ける工事に対応する区分を取る形です。どの区分に当たるかの判断も窓口で相談できます。区分の分け方と必要な資料の一覧は都道府県ごとに手引きが用意されているので、それを1冊もらっておくのが早いです。

取ったあとに続く手間

許可は取って終わりではありません。有効期間が定められており、切れる前に更新が必要です。決算のあとに毎年出す書類もあります。行政書士に頼む選択もありますが、その費用も含めて維持する体力があるかを先に見ておくべきです。期間と提出物の詳細は、取得前に窓口で確認してください。

まとめ

要件は5つ、つまずくのはそのうち2つ、そして今日からできる備えは資料を残すことだけです。金額の基準と有効期間は制度改正で動く部分ですので、必ず都道府県の建設業許可担当窓口で確認してください。

受けられる仕事の幅を広げる別の手段については急に人手が足りないとき、応援職人を最短で見つける方法もご覧ください。

\ 最新情報をチェック /