内装工の年収の実際|雇われと一人親方の差

結論からお伝えすると、内装工の年収で雇われと一人親方の差が出るのは、金額の大きさではなく引かれるものの数です。雇われは会社が半分持っている負担が見えません。一人親方は売上が大きく見えても、材料・車両・保険・税を自分で払い切ったあとの金額が手元に残る額です。同じ「年収500万」でも中身がまったく違います。

以下の数字は、幅のある目安として書いています。地域・元請け・工種・稼働日数で変わりますので、そのまま当てはまるものではありません。

先に、売上だけを見て独立した失敗

雇われで手取り月26万。応援に入ったとき1人工2万と聞いて、20日で40万になるはずだと考えて独立した。実際に起きたのはこうです。

  • 雨と現場待ちで、稼働できたのが月17日から19日だった
  • 軽バンのリース・燃料・保険・車検で月4万近く出ていった
  • 国民健康保険と国民年金の請求が、会社員時代の倍近くになった
  • 1年目は前年の住民税の請求が来て、収入が減った時期に払うことになった
  • 消費税と所得税を分けて置いておらず、確定申告の時期に足りなくなった

独立が失敗だったのではありません。売上と手取りを同じものとして数えたことが原因です。

雇われの内装工の年収の作り

項目目安
月給(経験3年から10年)25万円から32万円程度
賞与会社により0から年2か月分
年収の目安330万円から450万円程度
社会保険・厚生年金会社が半分負担
雨で休んだ日給与は原則減らない
材料・車両・工具会社負担が多い

雇われの強みは、この表の下4行です。天候・保険・車両・工具のリスクを会社が持っています。逆に弱みは、腕が上がっても月給が急には動かないことです。同じ工種で年収が600万を超える例は多くありません。

一人親方の売上と、手元に残る金額

ここが本題です。売上800万円という数字を、そのまま引き算してみます。稼働240日、1人工およそ2万円から2万5千円という前提です。

段階金額の目安中身
売上800万円手間請け・応援・常用の合計
材料・消耗品▲30万から60万円ボンド、パテ、刃、養生。支給の割合で大きく変わる
車両▲40万から60万円リースまたは減価償却、燃料、任意保険、車検、駐車場
現場経費▲20万から35万円コインパーキング、産廃処分、高速代
工具・通信・事務▲15万から25万円電動工具の買い替え、携帯、帳簿、印刷
国民健康保険・国民年金▲50万から70万円自治体と所得により大きく変動
一人親方労災(特別加入)▲3万から6万円加入する場合
所得税・住民税・消費税変動が大きい控除・課税事業者かどうかで別物になる
残る金額おおむね500万円台から600万円台、そこから税

この数字にも、まだ甘いところがあります。稼働240日は雨・現場待ち・体調不良を織り込んでいません。年20日を落とせば売上は40万から50万円下がりますが、車両費と保険は同じだけ出ていきます。さらに、けがで1か月動けなくなった場合、雇われなら傷病手当の仕組みがありますが、一人親方には売上がありません。上の表より手元に残る額は少なくなると考えておくのが現実的です。

税と保険の金額は、所得・自治体・控除の使い方で大きく変わります。ここは一般的な目安の話にとどめますので、実際の見込みは税務署または税理士に確認してください。

では、どちらが得なのか?

金額だけを見れば、稼働が安定している一人親方のほうが上に行きます。ただし年収が同じなら、一人親方より雇われのほうが手元に残ります。会社が半分持っている社会保険料と、車両・工具・天候のリスクを金額に直すと、その差はおおむね年100万円前後になります。独立が有利になるのは、この差を超えて売上を作れる仕事量を確保できたときです。

だから判断の順番は、腕でも気持ちでもなく仕事量です。独立前に、月に何日埋まる見込みがあるかを数える。18日で止まるなら、まだ会社にいたほうが手元は多い。22日埋まる相手が2社以上あるなら、計算が合いはじめます。

これから内装に入る方は、まず現場の数量感を身につけるほうが先です。入り口の話は未経験から内装職人になるにはにまとめています。

まとめ

雇われの年収は330万から450万程度が一つの目安で、上限は読めるが下限も守られます。一人親方は売上800万でも、引き算を終えると手元は500万台から600万台、そこから税です。比べるときは売上ではなく、引き算のあとの数字で並べてください。

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