一人親方が元請けに頼らず仕事を取る5つのルート|どれから手を付けるか

結論からお伝えすると、元請け1社に頼らない状態を作るのに、いちばん早く効くのは新規開拓ではありません。今すでに入っている現場で、名前と連絡先を渡す相手を1人増やすことです。チラシもホームページも効きますが、動き出してから最初の1件が来るまでに数か月かかります。ここでは一人親方が使える5つのルートを、効き始めるまでの早さの順に整理します。

1社が止まった月に、何が起きるか

元請けが1社だけの状態は、単価の話ができないという問題より先に、量の問題として現れます。その1社の受注が細った月は、こちらの稼働がそのまま空きます。月20日動く前提で組んでいた人が10日になれば、収入は半分です。国民健康保険料も国民年金も、前年の所得を元に請求が来るので、下がった月に合わせて減ってはくれません。

だからルートを増やすのですが、5つ全部を同時に始めると、どれも中途半端になります。順番があります。

元請けに頼らず仕事を取る5つのルートを、費用がかからず早く効く順に並べた図解

ルート1:今の現場で、隣の職種に名前を渡す

いちばん早いのはこれです。同じ空室に入っている電気屋、設備屋、クリーニング屋は、あなたと同じ元請けだけを見ているわけではありません。彼らが別の元請けから「クロス屋が足りない」と聞いたときに、思い出される場所に自分を置いておくということです。

やることは、名刺を渡して、携帯番号とLINEを交換して、対応できる工種と動ける曜日を一言添えるだけです。「クロスと床、平日なら明日でも動けます」。この一言があるかないかで、声がかかる確率が変わります。

相手が困っているときに、自分が手を挙げられる状態にしておくのが要点です。逆に自分が人を探す側になったときの動き方は応援職人を最短で見つける方法にまとめています。

ルート2:管理会社・不動産会社に直接あたる

賃貸の原状回復は、管理会社が発注元です。間に入る会社が1社減れば、その分の利益が自分に残ります。

飛び込みで行く場合、持っていくのは施工実績の写真と、対応できる工種、動けるエリア、連絡先を1枚にまとめた紙です。分厚い会社案内は読まれません。管理会社が知りたいのは「空室の鍵を渡して、何日で仕上がるか」と「電話にすぐ出るか」の2つです。

ただし直請けは、材料の手配、廃材の処分、追加が出たときの説明まで自分の仕事になります。手間請けと請負では責任の範囲が変わるので、受ける前に手間請けとは何かを押さえておいてください。

ルート3:マッチングサービスと募集サイト

スマホから応募でき、初期費用がかからないのが利点です。一方で、条件を見ずに飛びつくと単価が合わないまま拘束されます。

確認するのは、単価が何に対して支払われるのか(㎡か、人工か、1部屋いくらか)、材料は支給か自前か、廃材処分は誰の負担か、支払いサイトはいつか、の4点です。量産クロスの手間請けは1㎡500円が下限、応援なら1日25,000円程度が標準、複数の工種をこなせる多能工なら1日40,000円やそれ以上が今の水準です。ネットに残っている「1㎡300〜450円」は10年ほど前の数字なので、そこを基準に判断しないでください。

使い方の詳細はマッチングサイトは職人に使えるのか応援募集で失敗しないための確認事項で扱っています。

ルート4:地域を絞って動く/ルート5:ネットに置いておく

4つ目は、エリアを絞って同じ地域の元請けを回るやり方です。移動時間が減るぶん1日に入れる現場が増え、同じ地域で名前が知られるほど紹介が回りやすくなります。エリアごとの仕事の傾向は地域で仕事を探すときの動き方を参考にしてください。

5つ目が、Googleビジネスプロフィールやホームページ、SNSに施工実績を置いておくやり方です。これは効き始めるまでに数か月かかります。ただし、ルート1〜4で名刺を渡した相手が後から名前を検索したときに、何も出てこないのと、施工写真が20枚出てくるのとでは、次の依頼の入り方が変わります。単独で仕事を取る手段ではなく、他の4つを補強する土台だと考えてください。

案件に応募する前に確認する4点。単価の単位・材料の支給・廃材処分・支払いサイトの図解

どのルートから手を付けるか?

  1. 今週:入っている現場で、他職種の2人と連絡先を交換する。動ける曜日と工種を口頭で伝える
  2. 今月:施工実績の写真を20枚選び、対応工種・エリア・連絡先を1枚にまとめる。管理会社を3社訪ねる
  3. 今月:マッチングサービスに登録し、条件の4点が確認できる案件だけ応募する
  4. 3か月以内:Googleビジネスプロフィールを作り、施工写真を載せる

この順番にしているのは、上に行くほど費用がかからず、結果が出るのが早いからです。ホームページから始めると、お金と時間を使ったのに最初の3か月は何も起きず、その間に資金が細ります。

受注が増えたあとは、単価をどう組み直すかが次の課題になります。単価交渉の言い方もあわせてご覧ください。

実際にどのルートで仕事を取っているかは、同業の話を聞くのが早いです。仕事を探している人の掲示板で、条件や募集の情報をやり取りできます。

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