追加工事が出たときの伝え方と請求

結論からお伝えすると、追加工事で請求を通すために必要なのは①見つけた時点で手を止める、②写真と金額を出す、③着手前に返事をもらうの3つです。順番がすべてで、金額の妥当性はその後の話になります。

解体してみたら下地が腐っていた、既存の配管が図面と違った。現場に出ていれば毎月のように起きることです。それでも請求できないことが多いのは、伝える時期を外しているからです。

先に、請求できなかった例

どれも作業自体はきちんと終わっています。それでも金額が通りませんでした。

  • 下地の腐りを見つけたが、工期が迫っていたので直してから報告した。「頼んでいない」と言われ、3万円分が請求から落ちた
  • 電話で「ちょっと追加が出ます」と伝えただけだった。金額を言っていなかったため、請求書の数字を見て話が振り出しに戻った
  • 写真を撮らずに撤去した。あとから「本当に腐っていたのか」を示せなくなった
  • 現場の担当者には伝えたが、その人に決める権限がなかった。上に上がっていなかった
  • 「今回はサービスで」と自分から言ってしまい、次の現場でも同じ扱いが前提になった

追加工事で揉める原因は、金額ではなく伝える時期です。着手してから伝えた追加は、金額が正しくても通りにくくなります。逆に、着手前に返事をもらっていれば、多少高い金額でも話は進みます。

追加が出たときの手順

やること目安の時間
1手を止める。その範囲だけ止めて、他の工程は進めておくその場で
2写真を撮る。全体・寄り・寸法が分かる1枚の3枚以上5分
3金額と追加日数を出す。概算でよい15〜30分
4決められる人に送る。写真・内容・金額・工期の影響を1通でその日のうち
5返事を文字でもらってから着手する

2の写真がいちばん軽く見られますが、あとで効くのはここです。撤去してしまうと現物が残りません。寸法の分かる写真は、スケールを当てて撮っておけば十分です。

4で大事なのは、送る相手を間違えないことです。現場の担当者が金額を決められないことはよくあります。「これは誰に確認すればいいですか」と最初の打ち合わせで聞いておくと、追加が出たときに迷いません。

実際に送る文の形

長く書く必要はありません。4行で足ります。

書くこと
1行目何が出たか洗面下の床下地に腐りがありました(写真添付)
2行目そのままだとどうなるか上から仕上げても数年で沈む可能性があります
3行目どうするか・いくらか下地の張替えで◯万円、追加半日です
4行目返事の期限本日17時までにご返答いただければ工期内で収まります

2行目を入れるかどうかで通りやすさが変わります。追加を求める理由が「自分の手間が増えたから」ではなく「このままでは建物が持たないから」に見えるためです。依頼側からすれば、あとで入居者や施主から言われる不具合を先に潰せる話になります。

4行目の期限も忘れないでください。返事がない状態で待っていると、こちらの工期が削られます。期限を書けば、相手も「今すぐ判断するもの」として扱ってくれます。

言いにくいときは、どうするのか?

次から呼ばれなくなるのが怖い、というのが本音のところだと思います。ただ、黙って直した分は相手に伝わりません。伝わらない好意は、次回の前提になるだけです。

  • 金額を言わずに「追加になります」だけ伝えるほうが、かえって話が長くなる
  • 「請求します」ではなく「どうしますか」と聞く形にすると、判断を相手に渡せる
  • やらない選択も一緒に出す。「触らずに仕上げる場合はこうなります」と並べる
  • 金額が小さいものは、月末にまとめて1枚の一覧で出す方法もある

なお、追加分の合意がどこまで成立しているかという判断は、やり取りの内容や契約の形によって変わります。金額が大きい、返答がないまま工事が終わってしまったといった場合は、弁護士や建設業の取引に関する相談窓口に確認してください。自分で「払ってもらえないはずだ」と決めてしまうのは早すぎます。

工期が迫って人が足りず、判断を後回しにしてしまう場面もあります。そのときの手配は急に人手が足りないとき、応援職人を最短で見つける方法を参考にしてください。

まとめ

手順をもう一度並べます。止める、撮る、金額を出す、返事をもらう。この4つを崩さなければ、追加工事はほとんど揉めません。順番を守るのに必要な時間は30分程度です。工期に押されている日ほど、この30分が効いてきます。先に止めて聞くほうが、あとで請求できずに抱え込むより早く終わります。

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