見習いのうちに揃える道具
結論からお伝えすると、見習いのうちに自分で買うべき道具は3つだけです。安全靴、作業着、手袋。合計で1万円から2万円ほどです。それ以外は入ってから親方に聞いてから買ったほうが、無駄な出費が確実に減ります。
入る前に道具をひととおり揃えたくなる気持ちは分かります。ただ、会社が貸してくれるもの、現場に置いてあるもの、その職種では使わないものが必ず混ざります。順番を守るだけで、数万円の差が出ます。
入る前に買う3つと、その選び方
| もの | 金額の目安 | 選ぶときの基準 |
|---|---|---|
| 安全靴 | 3,000〜9,000円 | マジックテープ式が脱ぎ履きに楽。内装は屋内で靴を脱ぐ場面がある |
| 作業着(上下2組) | 6,000〜15,000円 | 2組ないと洗濯が回らない。夏冬で生地を替える |
| 手袋 | 1,000〜2,000円 | 薄手の背抜きを複数。厚手だと細かい作業ができない |
安全靴は、内装の場合は先芯入りのスニーカータイプで足ります。重量物を扱う大工や解体では、もう少ししっかりしたものを指定されることがあります。作業着は会社支給のところも多いので、面接のときに聞いておくと1万円浮きます。
ここに入っていないもの、たとえば腰袋や電動工具は、入ってからです。見習いの道具は「いいものを長く」ではなく「無くしても泣かないもの」から始めたほうがいい。1年目は現場に置き忘れます。ゴミと一緒に捨てます。高いカッターを1本失うより、安いカッターを3本回したほうが精神的に楽で、仕事も止まりません。
先に、道具でお金を無駄にした例から
- ネットの「大工道具フルセット」を3万円で買い、実際に使ったのは2つだった
- 会社が全員に貸し出していた電動ドライバーを、入る前に2万円で買っていた
- クロス職人になるつもりで刃物を揃えたが、配属が解体で半年使わなかった
- 18Vの電動工具を買ったあと、会社の他の工具が別メーカーでバッテリーが共用できなかった
- 腰袋を先に買い、親方から「その位置じゃ振り向くたびに壁を傷つける」と言われて買い直した
4つ目は、地味ですが金額が大きい失敗です。電動工具はバッテリーの規格でメーカーが縛られます。会社や親方が何を使っているかを見てから決めれば、充電器とバッテリーを共用できて数万円変わります。
職種ごとに、最初の1年で揃うもの
| 職種 | 1年目に自分で持つことが多いもの | 1年目の道具代の目安 |
|---|---|---|
| クロス | 地ベラ、撫でバケ、ジョイントカッター、竹べら、ローラー、パテベラ、スポンジ、腰袋 | 3〜8万円 |
| 大工 | 差し金、コンベックス、げんのう、のみ、鋸、水平器、インパクト、腰道具一式 | 15〜40万円 |
| 塗装 | 刷毛数本、ローラー、養生道具、ヘラ、パテ、缶開け、腰袋 | 3〜8万円 |
| 電気 | 圧着工具、ペンチ、ドライバー、検電器、テスター、腰道具 | 5〜15万円 |
| 共通 | 安全靴、作業着、手袋、ヘルメット、脚立、工具箱 | 2〜5万円 |
金額は地域と買い方で幅が出ます。中古やお下がりを回してもらえれば下限を下回りますし、新品で好みのメーカーに揃えれば上限を超えます。大工が突出しているのは電動工具と刃物が多いためで、その分、道具の管理が仕事の一部になります。
脚立や高所作業台、大きな電動工具は、たいていは会社のものを使います。自分で買うのは独立を考える段階になってからで十分です。
道具は、どの順番で買っていけばいいのか?
順番は「毎日使うもの」から、が原則です。目安として3段階に分けられます。
- 入る前:安全靴、作業着、手袋。ここだけ
- 1〜3か月目:毎日親方から借りているものを自分の分として買う。カッター、ベラ、コンベックス、腰袋。1回に1つずつ
- 半年以降:任される作業が増えて、自分で持っていないと待ちが発生するもの。電動工具はここから
判断の基準は「借りる回数」です。週に3回以上借りているものは買う。月に1回なら借り続ける。これで大きく外しません。
もうひとつ、道具そのものより大事なのが置き場です。工具箱と、車に積むときの積み方。現場に着いて道具を探す時間が毎回5分あると、月に20日で100分になります。1年目に評価される部分は速さより準備です。1年目の全体像は未経験から内装職人になるにはにまとめています。
まとめ
入る前に買うのは安全靴・作業着・手袋の3つ、1万円から2万円まで。あとは週3回以上借りているものから順に、1つずつ自分のものにしていきます。電動工具は会社や親方のメーカーを確認してから。この順番を守れば、1年目の道具代は職種によって3万円から40万円の幅に収まり、無駄な買い直しはほとんど出ません。


