大工の手間請け募集を探すときに確認すること

結論からお伝えすると、手間請け大工の募集で最初に確認するのは①単価が何を単位にしているか、②その単価に含まれる作業の範囲、③支払いサイトと追加工事の精算方法、この3点です。金額の大小より先にここを合わせておかないと、同じ「1棟いくら」でも手元に残る額が2割から3割変わります。

手間請けは材料を元請けが支給し、施工の手間だけを請け負う形です。日当で拘束される常用とは、責任の持ち方も精算の考え方も別のものになります。

先に、よくある失敗から

提示された金額が悪くなかったので受けた。入ってから、そこに含まれていた作業の量に気づく。現場でよく聞く話です。

  • 建方から造作までの一括だと思っていたら、外部の下地と防水の一部まで範囲に入っていた
  • 材料は支給だが、荷揚げと現場内小運搬が自分持ち。エレベーターのない3階で半日を運搬に使った
  • 図面の変更が3回入り、そのたびに手戻りが出たが、追加として認められたのは1回分だけだった
  • 片道1時間半の現場で、往復3時間が毎日発生した。実働8時間に対して拘束は11時間を超えた
  • 月末締め翌々月10日払いで、着工から入金までおよそ100日空いた。その間の材料代と燃料代は先出しだった

手取りを削るのは単価ではなく、単価表に書かれていない作業と移動時間です。ここを見積もりに乗せられるかどうかが、募集を選ぶ段階での判断になります。

手間請け大工の募集は、どういう形で出るか

ひとくちに手間請けと言っても、仕事の性質と単価の出し方が違います。

種類単価の出し方読むときの注意
新築木造の建方・造作1棟いくら、または坪単位どこまでが範囲か。仮設・荷揚げの扱い
リフォームの大工工事1現場いくら、または人工解体後に出てくる不具合の扱い
原状回復の建具・床1戸いくら、または数量精算戸数がまとまるか単発か
店舗内装の造作1現場いくら夜間・日曜作業の割増があるか
応援として入る人工(日当)指示系統が誰か。工程遅れの責任の所在

募集の探し方も一つではありません。知り合いの大工からの紹介、工務店やハウスメーカーの下請けへの直接営業、同業のつながりや組合、求人サイト、職人向けのマッチングサイト、SNSでの募集。それぞれ性質が違います。紹介は条件が読みやすい反面、手が空いた時にしか回ってきません。マッチングサイトは取引先を増やす速さはある一方、手数料がかかる場合があり、条件が「応相談」で止まっている案件も混ざります。相手の実績が見えにくいことも多いので、初回は小さい現場で支払いを確かめるのが安全です。

募集条件で確認する6項目

確認項目具体的に聞くこと
単価の単位坪か、1棟一式か、人工か。拾いの基準はどの図面か
材料の支給範囲構造材・造作材・金物・釘やビスのどこまでか。荷揚げは誰がやるか
作業範囲仮設、養生、清掃、残材処分が含まれるか
支払いサイト締め日と支払日。翌月末なら入金までおおむね60日
交通費・駐車場実費か単価込みか。現場に駐車スペースがあるか
契約書・注文書書面が出るか。図面変更と追加工事の精算方法が書かれているか

単価の相場を知りたくなるところですが、地域と時期、それに数量でまったく変わるため、他人の数字を持ってきても判断材料になりません。それよりも、自分の1日の必要額を先に出しておくほうが役に立ちます。車の維持費、工具の更新、燃料、保険、休みの日数を年間で足して稼働日数で割れば、下回ってはいけない線が出ます。年間稼働240日で経費が年間120万円なら、1日あたり5,000円は働く前に出ていく計算です。

6項目のなかで、後から効いてくるのが追加工事の扱いです。木造のリフォームでは、解体してから土台や柱の不具合が出てくることが珍しくありません。そのときに「見てから決める」で進めると、施工が終わったあとの精算になり、立場は弱くなります。数量が増えたら単価×数量で精算するのか、1日いくらの人工で見るのか、着工前に決め方だけでも合わせておくと後が楽です。

常用の募集と、どちらを選ぶべきか?

手間請けは腕が金額に反映され、常用は時間で拘束される、というのが一般的な整理です。ただし、段取りが悪い元請けの現場では、手間請けのほうが不利になります。材料の入りが遅れても、他業種と工程がぶつかっても、数量精算の手間請けでは待ち時間が収入になりません。同じ元請けでも、現場の管理が甘いなら常用で入ったほうが実入りが安定することがあります。

判断の材料は、単価ではなく現場監督の段取りです。初回に現場を見せてもらえるか、工程表が紙で出てくるか。この2点で、だいたい見当がつきます。工程表が口頭だけの現場は、他業種との調整も口頭で進んでいるということです。

なお、手間請けか常用かによって、税務上の扱いや社会保険の考え方も変わってきます。請負として働くのか、指揮命令を受けて働くのかという区分は、実態で判断されるものです。金額が大きくなってきた段階や、扱いに不安がある場合は、税務署や労働基準監督署、税理士など専門家に確認しておくと安心です。

まとめ

単位を合わせる、範囲を確認する、書面をもらう。この3つを毎回同じ順番で確認していれば、条件の悪い募集は最初のやり取りで分かります。これから大工や内装の仕事に入る方は未経験から内装職人になるにはも参考になります。

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