内装工の募集の見方|条件のどこを見るか
結論からお伝えすると、内装工の募集は①契約の形(手間請けか常用か下請けか)、②単価の単位と含まれる作業、③支払い条件の順に読むと、条件の良し悪しがはっきりします。逆に、金額から読み始めると判断を誤ります。募集要項に書かれていない項目こそが、後で自分の負担になる部分だからです。
内装工と一言で書かれていても、軽鉄下地、ボード張り、クロス、床仕上げ、建具まわりと範囲が広く、募集を出す側もそこを曖昧にしたまま出していることがあります。
先に、よくある失敗から
条件の良さそうな募集に応募して、現場に入ってから食い違いに気づく。よく聞くのは次のような話です。
- 「内装仕上げ」の募集だったが、実際は軽鉄下地の組み立てから含まれていた。得意な工種ではなく、1日の出来高が想定の7割に落ちた
- 「日当」と書かれていたので常用だと思っていたが、実際は数量精算の手間請けで、材料待ちの半日が収入にならなかった
- 残材処分が範囲に入っており、処分場への持ち込みと処分費で1現場あたり数千円の自腹が出た
- 「月末締め翌月末払い」と書かれていたが、初回だけ翌々月にずれた。着工から入金まで90日近く空いた
- 4現場連続の予定と聞いていたのに、2現場で打ち切りになった。書面がなく、残りの予定は口頭のままだった
いずれも、募集の文面を読み込んでいれば入る前に聞けた内容です。募集を出す側は、悪気なく省いていることもあります。社内では当たり前になっている前提が、外から来た職人には見えないだけです。
募集の文面は、こう読み替える
| 書かれている言葉 | 確認すべき中身 |
|---|---|
| 単価応相談 | 単位が決まっていない可能性。平米か人工か一式かを先に確定させる |
| 経験者優遇 | 優遇の中身は単価か、任される工種か。基準を聞く |
| 長期継続 | 何現場・何か月の見込みか。書面に残るか |
| 直行直帰 | 移動時間が完全に自己負担という意味になりやすい |
| 材料支給 | どこまで支給か。糊・パテ・養生材・ビスの扱い |
| 一式 | 数量が増えても金額が動かない契約になりやすい |
| 急募 | 工程が遅れている現場の可能性。前工程の状況を聞く |
業界では「良い募集は単価が高い募集」と受け取られがちですが、単価だけが大きく書かれている募集ほど、他の条件が書かれていません。工程・材料・支払いが先に書いてある募集のほうが、実際に付き合ってみると揉めません。書ける会社は、社内でそこが決まっているということです。
条件はこの6点を確認する
| 確認項目 | 聞くこと |
|---|---|
| 単価の単位 | 平米か、人工か、1戸一式か。拾いの基準はどこか |
| 材料の支給 | 支給の範囲。現場直送か引き取りか。荷揚げは誰か |
| 作業範囲 | 下地調整、養生、清掃、残材処分が含まれるか |
| 支払いサイト | 締め日と支払日。手形か振込か |
| 交通費・駐車場 | 実費精算か、単価に含むか。駐車場は確保済みか |
| 契約書・注文書 | 書面の有無。追加工事と工期変更の精算方法 |
単価の水準を知りたくなりますが、地域・数量・時期で幅が大きく、他人の数字は判断材料になりません。それより、自分の年間の必要経費を稼働日数で割った「下回れない線」を持っておくほうが確実です。年間稼働が240日で、車・工具・保険・燃料などの経費が年120万円なら、1日あたり5,000円は経費で消えている計算になります。
募集はどこで探すのが早いか?
経路は7つほどあります。知り合いからの紹介、元請けへの直接営業、同業者のつながり、組合や団体、求人サイト、職人向けのマッチングサイト、SNS。紹介は条件が読みやすく単価も相場が分かりますが、回ってくる時期を選べません。求人サイトは常用や社員の募集が中心です。マッチングサイトは取引先を増やす速さがある反面、手数料がかかる場合があり、条件が曖昧な案件や相手の実績が見えにくい案件も混ざります。SNSは急な欠員が流れてきますが、支払い能力の確認が自分の責任になります。
どれか1つに絞らず、性質の違う経路を2つか3つ持っておくのが現実的です。1社の仕事が全体の8割を超えている状態は、単価を上げる交渉ができない状態でもあります。発注側が急いでいる場面の事情は急に人手が足りないとき、応援職人を最短で見つける方法にまとめてあります。相手が何に困っているかが分かると、条件の話も進めやすくなります。
直接営業をするなら、施工写真を工種ごとに3枚から5枚ずつ、それに対応できる範囲と1日の出来高を1枚の紙にまとめておくと話が早く進みます。名刺だけで回るより、確実に返事が返ってきます。
まとめ
契約の形、単価の単位と作業範囲、支払い条件。この順で読み、6項目を毎回同じ手順で確認する。慣れてくると、募集の文面を見た時点で相手の社内が整っているかどうかまで見えてきます。


